アラブ・ユダヤ系スイス住民、中東和平を求める合同声明発表
スイスのアラブ系とユダヤ系の住民は20日、双方の400人が署名したパレスチナ・イスラエルの殺戮の応酬を止め中東和平交渉の再開を呼び掛ける合同声明「中東和平のための宣言書」を連邦議会で発表した。
声明は、イスラエル軍によるパレスチナ市民の人権侵害とパレスチナ人によるイスラエル市民を標的とした自爆テロを厳しく非難し、二重国家による解決を明記した内容だ。代表の1人ピエール・アザン氏は、メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官が今月18日にジュネーブ始まった国連人権委員会で、過去数カ月間に欧州でイスラム教徒、アラブ人、ユダヤ人に対する暴力行為が増加していると指摘した事を上げ、欧州のアラブ系住民とユダヤ系住民の和解が進まない限り、中東問題は欧州に飛び火すると警告する。
「中東情勢がこのまま永遠に続くことはあり得ない。このままいけば血の応酬はエスカレートし続け、人々は死に続ける。」とアザン氏らはいう。ジニ米特使の仲介により21日開かれる予定だったイスラエルとパレスチナ自治政府の高官による治安協議は、20日イスラエル北部の路線バスで起きた自爆テロ(8人死亡)と21日の西エルサレム中心街の自爆テロ(3人死亡90人負傷)で取り消された。合同声明を発表したスイス在住ユダヤ人、アラブ人協会は、ジュネーブ条約当事国のスイスがパレスチナに条約適用を実現する役目を果たすよう期待している。「国際人道法に関して特別な伝統を持つスイスは、中東和平を推進してくれると信じている。スイス議会は合同声明を受け、情勢打開のために建設的な行動を取ると表明してくれた。」と、アザン氏は語った。
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