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「ダボス会議」って何?気になるポイントを解説

スイス東部・ダボスの地で21日から世界経済フォーラム(WEF)年次総会、通称「ダボス会議」が始まる。今年で50回目を数える重要会議の開催に、ホスト国のスイスはどのくらい費やしているのか?出席するにはいくらかかるのか?スイスインフォが答える。

1. WEFとは?

世界経済フォーラム(WEF)外部リンクは、民間の国際的取り組みとして1971年に発足した非営利団体で、ジュネーブに本部を置く。

加盟企業はパートナーとメンバーの種別があり(後述)、WEFの活動に出資する。直近の報告書外部リンクによると、年会費は総額3億フラン(約340億円)以上。加盟企業間で知見を交換し、世界各地でさまざまな問題の解決に取り組む。

活動の柱となる年次総会は毎年1月、スイス東部にある山岳リゾート地ダボスで開催され、「ダボス会議」の名で知られる。第50回となる今年の会議は1月21~24日に開かれる。

2. パートナーとメンバーとは?

パートナーは選ばれた世界の大企業100社。スイスの重電ABBや食品大手ネスレ、英バークレイズ、クレディ・スイス、ドイツ銀行といった金融機関、国際会計事務所のデロイト、米グーグルなど多国籍企業が名を連ねる。議題設定にも携わり、資金の大部分を提供する。WEFの年間予算に合計2億4千万フラン超を寄付している。

メンバーは約1200社(世界の上位1000社を含む)で、WEFによると年会費として合計2700万フランを納めている。

3. ダボスフォーラムへの参加にはいくらかかる?

WEFには年間企業収益が50億フラン以上の経営者らが出資している。彼らの寄付金は毎年6万~60万フランにのぼる。

各種会員企業のほとんどは社長や最高経営責任者(CEO)、取締役などがダボス会議に出席できる。だがそれには参加費として別途2万5千フランを支払う必要がある。

4. 他には誰が出席できる?

各国政府の代表者や著名人、ジャーナリスト、宗教指導者、活動家など、WEF以外の関係者もダボスに招待される。

5. スイス政府はダボス会議にどう貢献している?

スイスはホスト国の役割を果たす。ダボス会議の開会式は、スイスの輪番制の大統領が執り行う。今年はシモネッタ・ソマルーガ大統領が出席する。

スイス連邦政府は、ダボス会議を「スイスにとって極めて重要なイベント」で、世界のリーダーがグローバルな問題を議論する貴重な機会だと位置づける。こうした考えから、スイス政府はダボス会議のセキュリティー費用を負担する。

6. ダボス会議のセキュリティー費用の総額は?

期間中の地上・上空の安全を確保するために、スイス国防省は通常の防衛予算から約3200万フランを支出し、最大5千人を警備人員として雇用できる。その多くはスイス軍兵士やパイロットが通常の兵役として務める。

その他のセキュリティー予算は900万フランに固定されており、連邦外部リンクが340万フラン、ダボスのあるグラウビュンデン州が225万フラン、ダボスと隣接するクロスタースが110万フラン、WEF財団が225万フランを負担する。

テロやその他の重大な脅威といった異常事態や例外事由によりセキュリティー予算外部リンクを超えた場合、連邦政府は追加費用の大部分を負担する。

7. ダボス会議が名を広めたわけは?

同会議には110カ国以上から約3千人の政治、ビジネス、社会、科学、メディアのリーダーが集まり、世界の課題に強く関わる問題について話し合う。WEFは、団体の目的は「世界を良くする」ことにあるとする。今年の参加者の女性比率は24%。

8. ダボス会議は世界に大きな変化を与えたか? 

対話と意見交換の場の提供を目的としているため、直接的にはない。だが各界のリーダーが集まり、重要な取り組みが始動するという意味で、同会議は一定の役割を果たしている。

9. なぜ批判されている?

会議の趣旨と外れ、結局は利己的な商談の場などにしているという理由から、ダボスには「金持ちクラブ」と揶揄(やゆ)される。WEFがグローバリゼーションを助長し、貧困や環境破壊の悪化を引き起こしているという批判もある。

10. WEFは批判をどう受け止めている?

世界的に企業や政府が説明責任をより強く求められるようになり、WEFは進化を求めている。WEFの創立者であるクラウス・シュワブ氏(81)は第50回ダボス会議のスローガンを「ステークホルダーがつくる持続可能で結束した世界」とし、より持続可能な資本主義を目指す「ダボスマニフェスト」を発表した。 

(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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