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スイス人研究者、トリノ聖骸布を鑑定

キリストの遺体を包んだとされる聖骸布 キリストの遺体を包んだとされる聖骸布

スイス人の繊維研究者が、トリノ大聖堂に納められているキリストの遺骸を包んだとされる布「聖骸布」を鑑定した。バチカンの許可のもと行われた鑑定だが、今回の鑑定方法や単独鑑定が認められた事などから、世界の研究者の間から批判の声が上がっている。

聖骸布とは、磔から下ろされたキリストの遺骸を包んだと信じられている幅1m名長さ4mの布で、苦難の表情のキリストの顔や体の形がくっきりと写し出されている。2世紀にトルコで発見され、14世紀にフランス・シャンベリーに移されたが、そこで1532年火災に遭い修復された。1578年以来、トリノ大聖堂で保管されている。

今回聖骸布を鑑定したのは、ベルン近郊のリッギスベルグにあるアベッグ財団研究員メヒテルド・フルリー=レムベルグ博士。フルリー=レムベルグ博士は古代繊維の研究家で、バチカンの許可のもと鑑定を行った。

トリノの聖骸布は1988年、チューリッヒ、オックスフォード、アリゾナで鑑定された結果、1260年から1390年頃に贋造されたものだと判定された。が、この度の鑑定でフルリー=レムベルグ博士は、16世紀に火災でいたんだ聖骸布を修復するため折り込まれた部分から30片を取り除いたため、他の聖骸布研究者らは聖骸布を著しく傷つけた可能性があると批判している。さらに、今回バチカンがフルリー=レムベルグ博士だけに鑑定を許可し、これまでのように国際研究者パネルに公開しなかったことに対しても憤りを表明している。

今回の鑑定は、88年の鑑定の際に聖骸布の1世紀の繊維と(火災後の修復に用いられた)16世紀の繊維を混ぜた可能性があり結果中世半ばの贋造とされたとするアメリカ人研究者の説を受け、聖骸布の正当性を証明しようという意図から行われた。バチカン広報官は、鑑定は聖骸布保存委員会、聖骸布保存研究者、イタリアと局の同意の下に実施されたと発表した。

トリノ聖骸布は磔にされたキリストの遺骸を包んだとされる布
キリストの顔や体の後が写し出されているとされる
エデッサ(現ユルファ・トルコ)で2世紀に発見された
1532年仏シャンベリーで火災に遭い修復される
1578年トリノに移される

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