スイスのギー・パルムラン外部リンク連邦経済・教育・研究相が7日~9日、同内の経済界代表らとともに日本を訪問する。発効10年を迎えた日スイス経済連携協定(EPA)の更新を改めて要請し、日本市場でスイス企業が被っている「差別」解消を図る狙いだ。
このコンテンツが公開されたのは、
最大の焦点が、2009年に両国が結んだEPAの改定だ。スイス側は昨年から協定の改定を訴え、同年11月にはベルンでEPAの合同委員会を開催。先月にはウエリ・マウラー連邦大統領が来日して安倍晋三首相と会談し、スイス側は協定を更新する準備ができていると述べた。ただ日本側からは表立った動きはない。
加えて日本は今年2月、欧州連合(EU)とEPAを締結。日本市場でスイスの最大の競争相手であるEUがEPAを結んだことで、改定を求める声がさらに強まった。
パルムラン経済相は今年3月、チューリヒで行われたフォーラムで演説外部リンクし「(スイス企業が被っている)差別の可能性は、日EUのEPA発効後、より明らかになっている。日スイスのEPAはEUのものより自由度が限られている」と指摘。主に農業部門でのEUとの格差を是正すべく日本に働きかけてきたとし、今夏にも来日する意向を示していた。
>>EUと日本がEPAを結んだら、スイスはどうなる?
スイス日本商工会議所は声明外部リンクで「日本市場で最大の競争相手EUに対し、スイス企業が被る差別に反対するとした経済相の意図を支持したい」と述べた。
来日に同行するマルティン・ハーブ会長は「日・EU経済連携協定の発効以来、日本市場のスイス企業は、EUとの競争で不利な立場にある」とコメント。日本の関係省庁と公式会合を行い、両国の経済関係に前向きな勢いをもたらしたいと述べた。
スイスと日本は2007年に科学・技術協力協定を結び、研究交流などを促進している。連邦政府の声明外部リンクによると今回、イノベーション分野での連携を強化する合意書を取り交わす見通し。
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
続きを読む
おすすめの記事
マウラー大統領が来日、安倍首相と首脳会談へ
このコンテンツが公開されたのは、
福岡市で8、9日に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に、スイスのウエリ・マウラー連邦大統領兼財務相、スイス国立銀行(中銀)のトーマス・ジョルダン総裁が出席する。マウラー大統領は10日、東京で安倍晋三首相と会談する。
もっと読む マウラー大統領が来日、安倍首相と首脳会談へ
おすすめの記事
アベノミクス加速に向け「スイスのように効率よい働き方を」
このコンテンツが公開されたのは、
2016年6月から駐スイス日本国大使としてスイスの首都ベルンに駐在する本田悦朗氏。安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」をブレーンとして支え、欧州金融経済担当大使の肩書きも持つ。スイスでの駐在で目の当たりにしたスイス人の…
もっと読む アベノミクス加速に向け「スイスのように効率よい働き方を」
おすすめの記事
日本市場でスイスにかかる圧力
このコンテンツが公開されたのは、
日本と欧州連合(EU)の間で経済連携協定(EPA)が結ばれることで、スイスは競争力を失うのか?2009年に欧州で初めて日本とEPAを結んだスイスは今、大きな危険にさらされることになった。
もっと読む 日本市場でスイスにかかる圧力
おすすめの記事
ベルセ大統領、安倍首相と首脳会談
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのアラン・ベルセ連邦大統領は12日、東京の官邸で日本の安倍晋三首相と会談した。二国間関係のほか、北朝鮮問題など国際情勢について幅広く協議した。
もっと読む ベルセ大統領、安倍首相と首脳会談
おすすめの記事
スイスメディア、日欧EPA署名受けスイス農業に警鐘 対米陣営への期待も
このコンテンツが公開されたのは、
日本と欧州連合(EU)が17日に経済連携協定(EPA)に署名し、スイスメディアは「スイスの輸出産業が苦しい立場に押しやられる」と報じた。特にスイス農産品が日本市場で商機を逸すると警鐘を鳴らす一方、米国発の貿易戦争への対抗力になるとの期待もにじませた。
もっと読む スイスメディア、日欧EPA署名受けスイス農業に警鐘 対米陣営への期待も
おすすめの記事
日本メディア、「北朝鮮に圧力で一致」と伝える
このコンテンツが公開されたのは、
12日に東京で開かれた日・スイス首脳会談について、日本のメディアは安倍晋三首相とアラン・ベルセ大統領が北朝鮮情勢をめぐり認識を共有したことに焦点を当てた。拉致問題についてベルセ大統領が「解決策が出ることを願っている」とコメントしたことも報じられた。
もっと読む 日本メディア、「北朝鮮に圧力で一致」と伝える
おすすめの記事
在日スイス企業 自由貿易を歓迎
このコンテンツが公開されたのは、
東京八丁堀にある地味なオフィスビルの8階に「マティサ ( Matisa ) 」のオフィスはある。 マティサ オフィスの入り口付近にある道床 ( 線路と枕木の下に敷く砂利 ) の上に敷かれた鉄道のレールを見れば、どういっ…
もっと読む 在日スイス企業 自由貿易を歓迎
おすすめの記事
スイス経済相の訪日、日・スイス経済連携協定を再確認 女川町も訪問
このコンテンツが公開されたのは、
アマン氏は訪日第1日目の8日、林農林水産相と会談。EPAには今後も協議を続けるべき改善点がいくつかあるが、「全体としてうまくいっている。大きな進展があった」と満足の意を示した。さらにスイス通信に対し「たとえばグラウビュ…
もっと読む スイス経済相の訪日、日・スイス経済連携協定を再確認 女川町も訪問
おすすめの記事
日本・スイス経済連携協定発効から1年、大きく前進 !
このコンテンツが公開されたのは、
昨年9月1 日スイス経済連携協定 ( FTEPA ) が発効して以来、日本からスイスへの輸出額増加などの成果もあったが、「何と言ってもこの協定がある種呼び水となって、社会保障協定などの交渉が進んで署名に至り、両国間のビ…
もっと読む 日本・スイス経済連携協定発効から1年、大きく前進 !
おすすめの記事
「良好すぎる」日・スイス関係 日本大使のアイデアでさらに発展
このコンテンツが公開されたのは、
前田氏は今年、スイスのメディアに引っ張りだこだ。日本とスイスが国交樹立してから150周年の年とあって、日本を代表する彼の元にはこれまで多くのスイス人記者が駆けつけている。 スイスメディアの関心は、今の両国関係に限らない。…
もっと読む 「良好すぎる」日・スイス関係 日本大使のアイデアでさらに発展
おすすめの記事
スイスの大統領、日本・スイス友好の歴史150年を祝う
このコンテンツが公開されたのは、
ブルカルテール氏は「149年前、スイスの外交団は5カ月に及ぶ長旅の末、日本に到着。翌年の2月6日に修好通商条約の調印にこぎつけた」と、4日の在日スイス大使公邸のレセプションの席で話したと外務省のコミュニケは伝える。 …
もっと読む スイスの大統領、日本・スイス友好の歴史150年を祝う
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。