スイスの視点を10言語で

バーゼル劇場バレエ学校、プロ養成部門を閉鎖

チューリヒ、ベルン、バーゼルのバレエ学校やバレエ団では、いずれもダンサーへの虐待が問題になっている
チューリヒ、ベルン、バーゼルのバレエ学校やバレエ団では、いずれもダンサーへの虐待が問題になっている Keystone / Georgios Kefalas

バーゼル劇場バレエ学校が、プロ養成コースを閉鎖することを決めた。財政難が理由という。同校を巡っては、ダンサーへの虐待問題も浮上していた。 

同校の理事会が30日発表した。州教育省に対し、今年度末でのコース閉鎖の許可と財政支援を要請したという。 

ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)によると、バーゼル劇場バレエ学校は、虐待報道が出る前から既に財政難の状況にあった。だが同校のアドリアン・デヴェレ共同代表によると、10月に報道が出たことで「第三者からの資金調達が非現実的であることを実感し、そのような返答も受けた」。ジュニア、ホビー部門のコースを継続するか検討中という。 

独語圏の日曜紙NZZ・アム・ゾンタークとバーゼルのオンラインニュースサイトBajourが10月末に報じたところによると、同校の元生徒30人以上がリハーサル中に定期的に屈辱や侮辱を受けていた。パフォーマンスに対する過度のプレッシャーから、骨折、摂食障害を患ったとも報じられている。 

同校理事会は外部調査を依頼。ディレクターを停職処分とした。 

チューリヒとベルンでも虐待問題 

バーゼル劇場バレエ学校の「連邦プロ資格」コースは、義務教育終了後の生徒たちにプロダンサーとしての包括的なトレーニングを提供。修了すると国の認定資格を取得できる。同様のコースを提供するチューリヒ・ダンスアカデミーでも最近、同様の虐待問題が発覚。その後、経営陣は停職処分を受け、調査が始まった。 

ベルン・バレエ団でも虐待問題が報じられた。同バレエ団と親団体のベルン市立劇場の幹部は10月下旬に記者会見し、ダンサーをセクハラから守れなかったことを謝罪した。 

英語からの翻訳・宇田薫

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

マルティン・シュレーゲル氏

おすすめの記事

連邦内閣、マルティン・シュレーゲル氏をスイス中銀新総裁に任命

このコンテンツが公開されたのは、 連邦内閣はスイス国立銀行(SNB、中銀)の新総裁に予想通りマルティン・シュレーゲル副総裁を任命した。ペトラ・チュディン氏が新たな理事会メンバーとなる。

もっと読む 連邦内閣、マルティン・シュレーゲル氏をスイス中銀新総裁に任命
職場の犬

おすすめの記事

職場のワンコ、従業員の満足度を向上 スイス調査

このコンテンツが公開されたのは、 犬は職場の雰囲気を良くし、飼い主だけでなく他の従業員にとっても良い影響を与える――スイスの労働者を対象に実施された調査は、職場に犬がいることの効用を強調する。

もっと読む 職場のワンコ、従業員の満足度を向上 スイス調査
アラン・ベルセ

おすすめの記事

スイスのアラン・ベルセ元内相、欧州評議会の事務総長に当選

このコンテンツが公開されたのは、 25日に開かれた欧州評議会(本部・仏ストラスブール)総会で、スイスのアラン・ベルセ元内務相(52)が新事務総長に選出された。スイス人が同ポストに就くのは初めて。

もっと読む スイスのアラン・ベルセ元内相、欧州評議会の事務総長に当選
家具のないアパートの1室

おすすめの記事

スイスでよくある賃貸住宅トラブルQ&A

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは賃貸物件に住む人は人口の約6割と多く、欧州でもトップクラスだ。賃貸物件でトラブルが起きたらどうすればいいのか?スイスの賃貸法上のルールを解説する。

もっと読む スイスでよくある賃貸住宅トラブルQ&A
生まれたての赤ちゃん

おすすめの記事

スイスの出生率1.33、過去最低を更新

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦統計局は20日、2023年の人口動態統計の確定値を発表し、2023年の合計特殊出生率は1. 33と、過去最低を更新したことがわかった。前年の1.39から最低水準を2年連続で更新した。

もっと読む スイスの出生率1.33、過去最低を更新
スイス中央銀行

おすすめの記事

スイス中銀、1.25%に利下げ

このコンテンツが公開されたのは、 The Swiss National Bank is lowering its key interest rate once again, from 1.5% to 1.25%, due to a fall in underlying inflationary pressure.

もっと読む スイス中銀、1.25%に利下げ

おすすめの記事

少年への有罪判決が増加 公務執行妨害・性犯罪など

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦統計局は18日、2023年に少年に対して下された有罪判決は2万3080件と、前年比11%増えたと発表した。特に15歳未満の犯罪は長期的に増加傾向にある。

もっと読む 少年への有罪判決が増加 公務執行妨害・性犯罪など
スーツを着た男性の顔写真

おすすめの記事

スイスが冒した「稀有なリスク」 平和サミットの舞台裏

このコンテンツが公開されたのは、 世界中から100の代表団がスイスに集結した「ウクライナ平和サミット」。実行委員会トップとして参加国の招待や共同声明の草案作りを担ったスイス外務省のガブリエル・リュヒンガー氏が舞台裏を振り返った。

もっと読む スイスが冒した「稀有なリスク」 平和サミットの舞台裏
マンション

おすすめの記事

スイスでマイホームが賃貸よりお得に

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは住宅ローン金利の低下と家賃上昇により、2025年初めには不動産を賃貸するより購入した方が安上がりになる――こんな見通しを銀行最大手UBSが発表した。

もっと読む スイスでマイホームが賃貸よりお得に

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部