人質はガス中毒死:モスクワ劇場強行突入
モスクワの劇場占拠事件で、ロシア保健省は27日、死亡した人質118人中117人の死因は、強行突入時特殊部隊が使用したガスによる中毒死であったと発表した。
4人のスイス人を含む生存者らは、入院中だ。
モスクワ保健委員会のアンドレイ・セルツォフスキー議長は27日、約800人いた人質のうち強行突入時の銃撃による死者は1人だけで、117人は「特殊ガスによる中毒死」だったと発表した。解放された人々の646人は今も入院中で、150人は集中治療を受けており45人は重体だという。
人質になっていた5人のスイス国籍保持者またはスイス関係者は、全員無事に保護された。モスクワのスイス大使館によると、スイス・ドイツ二重国籍を持つ男性1人は26日スイスに帰国、あとの4人(2人はスイス企業クラリアントのロシア人従業員、2人はフリブール州在住のロシア人母娘)は入院中。フリブール在住母娘のうち10才の女の子は25日に解放された。スイス大使館のボイティー広報官によると、「ロシア当局は協力的で誠意をもって接してくれている。が、入院中のスイス関係者らの容態やどこにいるのか等は把握できていない。」という。
ロシア政府は、強行突入時特殊部隊が使用した特殊ガスの種類を明確にしていない。モスクワの麻酔医の言葉として伝えられるところによると、使用された特殊ガスは外科手術用の一般的な麻酔剤に似た成分のものである。
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