国連加盟問題各政党意見書出そろう
スイスの国連加盟賛成・反対両陣営の戦いが熱くなって来た。外務省によると、賛成派が勢力を拡大する中で、各政党は従来の立場を変えていない。(写真:ジュネーブの国連欧州本部)
スイスの国連加盟賛成・反対両陣営の戦いが熱くなって来た。外務省によると、賛成派が勢力を拡大する中で、各政党は従来の立場を変えていない。(写真:ジュネーブの国連欧州本部)
政党の中でも右派の人民党と独立・中立スイス連合は、スイスの国益は中立の伝統を維持し、国際組織から距離を保ってこそ叶えられるという、従来の意見を固持している。一方、中道、右派、左派の他の政党および労組は、国連加盟を支持している。
政府は6月、諮問手続きを開始、各政党からの政府への意見書も出そろい、世論は国連加盟に傾いていると確認した。キリスト教民主党と急進民主党は、国連加盟支持の理由を述べた1ページの書類を提出、また人民党は6ページにおよぶ反対議論の詳述書類を発表した。
人民党は、国連に加盟したら、スイスの中立政策を犠牲にしなければならなくなると主張。バルカン半島の紛争のような事態でも、国連の指揮下では、現行のように、紛争の全当事者に救援物資を送る事はできなくなると主張する。また、独立・中立スイス連合は、スイスのイメージは、国連安保理のパワーポリティクスで汚されるとの書類を政府に提出した。そして、欧州は党派心なく人道援助を行う中立国を必要としていると主張する。
スイスの中立を脅かされるのではという国民の危惧に関し、国民が国民投票で国連加盟を承認するならば、政府は中立政策継続宣言をすると公約した。急進民主党は、国連加盟によって、スイスは国際レベルでのグローバルな問題解決への全面参加の権利を得ることができ、また国連総会でスイスの国益を代表または防衛できるようになると主張する。
スイスの国連加盟を問う国民投票は、2002年に実施される。
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