男女間の賃金格差是正や職場でのハラスメント根絶を求め、スイス各地で行われた14日の女性ストライキは、計50万人が声を上げた。歴史的規模になったストライキを写真で振り返る。
このコンテンツが公開されたのは、
swissinfo.ch, swissinfo.ch
スイスで女性ストライキが初めて実施されたのは1991年6月14日。ヴォー州ジュラで働く時計職人の女性たちから相談を受けた労働組合員クリスティアンヌ・ブロナー氏が中心となり、全国的な女性運動を巻き起こした。この時も50万人の女性たちがデモに繰り出し、連邦憲法に盛り込まれた男女平等条項が実社会で反映されていないと訴えた。
今回の女性ストライキはそれに続く2回目で、ちょうど28年後に当たる日に組織された。男女平等の遅れを訴える声は以前と同じで、特に目立ったのが男女間の賃金格差だった。その他にも性的暴力や女性の貧困、移民女性の社会的統合を訴える声が挙がった。
各地で多様なイベントが行われたが、全国で統一した「時間」が2つある。その1つが午前11時で、ストライキを提起する声明文が朗読された。もう1つは、女性の賃金格差分から算出したこれ以降が無償労働となる時刻の午後3時24分。チューリヒでは保育士らがおやつを食べて終業を知らせる「おやつストライキ」をした。
主催者のスイス労働組合連合(SGB/USS)によると、全国で50万人以上がストライキに参加した。
続きを読む
おすすめの記事
スイス全国女性ストライキから25年
このコンテンツが公開されたのは、
一般労働者、学者、公務員、母親、専業主婦など多くの女性が、スイス全国から集まった。憲法に記載された男女平等が実施されていないことに、女性たちは不満を募らせていたのだ。この日、女性たちはアイデア満載に、大声を上げながら、カ…
もっと読む スイス全国女性ストライキから25年
おすすめの記事
女性ストライキの長い歴史 闘いはまだ終わっていない
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで初めて女性ストライキが起こったのは、1991年6月14日。何十万人もの女性がこの運動に参加した。あれから30年近く経った今年6月14日、再び大規模な女性ストライキがスイスで予定されている。
もっと読む 女性ストライキの長い歴史 闘いはまだ終わっていない
おすすめの記事
スイスメディアが報じた#KuToo運動 読者の反応
このコンテンツが公開されたのは、
職場の女性へのヒール・パンプス着用を強制しないで――。日本で大きな議論を巻き起こしている「#KuToo」運動は多くのスイスメディアで報じられ、反響を呼んでいる。読者からはSNSを中心に多くの声が寄せられ、意見が交わされた。
もっと読む スイスメディアが報じた#KuToo運動 読者の反応
おすすめの記事
ILO総会開幕 職場のセクハラ、男女の賃金格差是正が焦点
このコンテンツが公開されたのは、
国際労働機関(ILO、本部ジュネーブ)の年次総会が10日、スイス・ジュネーブで始まった。スイスのアラン・ベルセ連邦内務相は開会演説で、加盟国が男女の賃金格差是正に向け更なる努力を講じるよう呼び掛けた。総会では職場でのセクハラや暴力を禁止する初めての国際条約が制定される見通しだ。
もっと読む ILO総会開幕 職場のセクハラ、男女の賃金格差是正が焦点
おすすめの記事
スイスが内戦状態に陥ったゼネストから今年で100年
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは今年11月、全土が内戦のような状態となったゼネストから100年目を迎える。なぜ1918年のゼネストは行われたのだろうか?スイス人が同胞を撃つ事態に発展したのは様々な要因が積み重なった結果だった。当時を振り返る。
もっと読む スイスが内戦状態に陥ったゼネストから今年で100年
おすすめの記事
男女同権への長い道のり 根強い性差別が残るスイス
このコンテンツが公開されたのは、
全米で広がった草の根運動「#MeToo」はスイスでも広がり、男女同権の現状に対する女性の不満の声が次々と上がった。スイスでようやく女性の選挙権が認められた1971年と比べ、今は何が違うのか。
もっと読む 男女同権への長い道のり 根強い性差別が残るスイス
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。