チューリヒ市警察が、パトロール中の警察官全員にボディカメラを着用させる計画を進めている。同警察が試験的に導入、3年にわたり効果を検証したところ、結果は上々だった。しかし警察官のプライバシー問題に対する懸念の声もある。(SRF/swissinfo.ch)
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国内では昨年、警察官に対する暴行事件が3千件を超えた。ボディカメラを制服の胸部分に取り付け録画することで事件の防止を狙う。
ボディカメラは警察官だけでなく、警察官の行き過ぎた行為から市民を守る効果もあるという。しかし警察の権力乱用に目を光らせる人権団体「アイズ・オープン」は、警察官がカメラの電源を入れてくれなければ何の意味もないと反論する。
チューリヒ市警察のダニエル・ブルマー署長は「ボディカメラがあれば全ての違法行為が明らかになる。(映像は)客観的な証拠だ」と強調する。
一方、スイス警察職員協会外部リンクは、パトロール中の行動を常時撮影することにより、警察官に余計なプレッシャーを与えてしまうのではと危惧する。同協会のヨハンナ・ブンディ・ライザー会長は「常に監視されているという気分にさいなまれてしまうのではないか」と話す。
スイスでほかにボディカメラの導入を検討しているのはザンクト・ガレン州の警察だけ。チューリヒ市警察の計画が実現するためには、市議会の承認が必要だ。
(英語からの翻訳・宇田薫)
続きを読む
おすすめの記事
スイスで最も有名な銀行強盗、仮釈放認められる
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ州裁判所が4日、ポルトマン受刑者の仮釈放申請を認めた。同受刑者が逮捕されたのは19年前、グラウビュンデン州の刑務所を脱獄後、トゥールガウ州ホルンで2人と共謀し、銀行強盗を働いた。計4件の銀行強盗を働いた罪で懲…
もっと読む スイスで最も有名な銀行強盗、仮釈放認められる
おすすめの記事
犯罪は減少するもスイス人の銃所持率は増加
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの治安は向上している。警察の最新発表では、2015年の犯罪発生率は7%減少し、過去7年間で最低だった。特に、2014年の殺人発生率は過去30年間で最も低い。 殺人で最もよく使われる凶器は、ナイフなどの鋭器だ。銃…
もっと読む 犯罪は減少するもスイス人の銃所持率は増加
おすすめの記事
スイスの犯罪件数、5年連続で減少
このコンテンツが公開されたのは、
連邦統計局は26日、昨年の犯罪統計を発表し、刑法犯認知件数は43万9千件(前年比6.1%減)で、2012年から5年連続で減少したことがわかった。2012年比では17万件の大幅減となった。
もっと読む スイスの犯罪件数、5年連続で減少
おすすめの記事
チューリヒで起きた「世紀の銀行強盗」
このコンテンツが公開されたのは、
PLACEHOLDER 「良い計画だ」。世紀の強盗劇について描かれた一冊の本は、こんな書き出しで始まる。書いたのは強盗団の一人ドメニコ・シラーノ。「役割分担はそれぞれ分かっているな。もうすぐ億万長者になれるぞ」。97…
もっと読む チューリヒで起きた「世紀の銀行強盗」
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。