ローザンヌ国際バレエ eコンクール決勝、男子が快挙
6日、ローザンヌで第49回国際バレエコンクールの結果が発表された。6つの賞のうち5つに男子が入賞し、トップ3を男子が占めた。優勝者は、ポルトガル出身のアントニオ・カサリーノさん(17)。日本人では千葉県出身の淵山隼平さん(18)が5位に入賞した。
新型コロナウイルスの流行を受け、ローザンヌ国際バレエコンクールは初めてオンラインで開催された。審査基準は従来と同じだが、すべてビデオ審査で行われた。43カ国から399人が応募し、予備選考を通過した78人の審査が2月1~5日にローザンヌで行われ、上位20人を選考。審査員は6日に再度ファイナリスト20人のビデオを見直して受賞者を選抜し、オンラインで結果を発表した。審査員は、参加者があらかじめ自身で録画した映像の演技を採点した。
ローザンヌ国際バレエコンクールの芸術監督のキャサリン・ブラッドニー氏によると、1位に選ばれたカサリーノさん(アンナレナ・サンチェス・バレエ舞踊国際学院所属)は、「並外れてユニークなダンサーで、完璧な踊り」が高く評価された。
2位のルカ・アブデル・ヌールさん(17)は、「繊細なアクションと精密さ」という資質も高評だったという。アブデル・ヌールさんは、エジプト人として初めてローザンヌ国際バレエコンクールに出場した。現在は、チューリヒ・ダンス・アカデミーに留学中だ。
3位だったアンドレイ・ジェズス・マチアーノさん(16)には、「若い才能が見られ、近い将来、立派なダンサーになる可能性がある」とブラッドニー氏は話す。
5位を受賞した淵山さんはクラシック・バリエーションで、「グラン・パ・クラシック」を披露。ブラッドニー氏は、「非常に優れており、強さと自信を感じるものだった」と評価する。コンテンポラリー・バリエーションに関しては、「クラシックほどは自然さがなかったかもしれないが、素晴らしかった」と述べる。淵山さんは、2019年のコンクールの決勝にものぞみ、今回は2度目の挑戦だった。
ファイナリストの20人には、淵山さん以外にも、東京都出身の小林愛里さん(15)、北海道出身でパリ国立高等音楽・舞踏学校に留学中の山本小春さんの日本人3人が含まれていた。国籍別では、最多はブラジルで4人が決勝に進出していた。
入賞者
1位 Antonio CASALINHO (17) ポルトガル
2位 Luca ABDEL-NOUR (17) エジプト
3位 Andrey Jesus MACIANO (16) ブラジル
4位 Seojeong YUN (17) 韓国
5位 淵山隼平 (18) 日本
6位 Ashley COUPAL (18) カナダ
ベスト・ヤング・タレント賞 Andrey Jesus MACIANO ブラジル
コンテンポラリー賞 Antonio CASALINHO ポルトガル、Rui Cesar CRUZ ブラジル
ベスト・スイス賞 Luca ABDEL-NOUR エジプト
Web観客賞 Luca ABDEL-NOUR エジプト
振付ヤング・クリエーション・アワード Samuel WINKER(ジョン・ノイマイヤー・ハンブルグ・バレエ学校)、Maya SMALLWOOD(カナダ・ナショナル・バレエスクール)
ローザンヌ国際コンクール
正式名称はPrix de Lausanne外部リンク(プリ・ド・ローザンヌ)で、才能豊かな若いバレエダンサーがプロの道に踏み出すことへのサポートを目的とし、スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの一つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。現在カンパニーとプロとして契約中、または過去にプロ契約を結んだことのあるダンサーは参加できない。入賞者は、奨学金を受け取り希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修できる。
本選の第49回ローザンヌ国際バレエコンクールは、ビデオ形式で2021年1月31日~2月6日に開催された。
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