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ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も

英語でスイスと書かれたステージでパフォーマンスをするノンバイナリー男性
2024年の欧州国別対抗音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」で優勝したスイス代表Nemoの舞台 KEYSTONE/Copyright 2024 The Associated Press. All rights reserved.

欧州国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の決勝が11日、スウェーデンのマルメで行われ、「ノンバイナリー」を自認するスイス代表のNemo(24)が優勝した。スイス代表の優勝は36年ぶり3回目。会場周辺ではイスラエル参加に対する大規模な抗議活動も行われた。

ラッパーで歌手のNemoは、ドラムンベース、オペラ、ラップ、ロックを織り交ぜた楽曲「The Code」で、性自認を男女の枠に当てはめない「ノンバイナリー」としての自分を受け入れるまでの道のりを歌い上げた。

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スイスは合計591ポイントを獲得し、2位のクロアチアの547ポイントを上回った。ウクライナは3位、イスラエルは5位だった。

Nemoは受賞後、「この大会が、平和とすべての人の尊厳の力になり続けることを願っている」と語った。

Nemoは大会後の記者会見で、「スイスのような国にとって、ノンバイナリーを取り入れた曲を披露することは、並大抵のことではない」と語った。またスイスには依然として、性別を区別しない三人称代名詞が公式には存在しないと指摘し、政治におけるノンバイナリーコミュニティの代表性を高めるよう呼びかけた。

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スイス代表の優勝は3回目

スイス代表の優勝は36年ぶり3回目。初優勝は1956年の第1回大会(ルガーノ)で、1988年には当時20歳だったセリーヌ・ディオンがスイス代表として出場し2回目の優勝を果たした。

Nemoは「このトロフィーはスイスにとって、とても特別。この国のアーティストが国境を越えて名を馳せることは、決して簡単なことではない」と語った。

スイス代表の優勝には多くの政治家からも祝福の声が上がった。文化担当のエリザベット・ボーム・シュナイダー内務相はソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」で、Nemoの多才さと個性の豊かさが評価されたと述べた。

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ガザ巡りイスラエルに抗議も

今年のユーロビジョンでは、パレスチナ自治区ガザの軍事作戦を巡りイスラエルの参加に抗議の声が上がるなど、政治的にも注目を集めた。

イスラエル参加に対する大規模な抗議デモが行われた会場周辺には、厳戒警備が敷かれた。

開催地となったマルメには、スウェーデン最大のパレスチナ系コミュニティーがある。マルメ警察は大会の開催に合わせ、スカンジナビア全土、そしてデンマークとノルウェーからの増援部隊を動員した。マルモ警察によると、抗議デモにはスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんを含む5千人以上が参加した。

次回はスイスで開催

ユーロビジョンは前年の優勝国が会場となるため、来年はスイスで開催される。現在、チューリヒ、ベルン、ジュネーブ、バーゼルの4都市が開催地として候補に挙がっている。スイス・ユーロビジョン代表団のイヴ・シファール代表は4月、フランス語圏のスイス公共放送(RTS)で、大きなコンサートホールと優れたインフラがあるこれらの都市について言及した。

開催費用はSWI swissinfo.chの親会社であるスイス公共放送協会(SRG SSR)と開催都市が共同で負担する。大会参加国も財政的に貢献する必要がある。シファール氏は開催費用についての明言は避けたが、他国との協議は進行中だとした。

2025年の開催を希望するスイスの都市は、入札に参加できる。その後、SRGが欧州放送連合(EBU)音楽祭の主催者としての決定を下す。

SRGに立ち上げられたユーロビジョン特別作業班はは13日にも始動する。12日には経営陣による臨時会議が行われた。

SRG会長でEBU理事会のメンバーも務めるジル・マルシャン氏は「これは芸術面でも観光面でも、スイスの特色を世界にアピールする素晴らしい機会だ。このチャレンジにどう立ち向かうか、それは私たちにかかっている」と語った。

英語からの翻訳:大野瑠衣子

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