ローザンヌ国際バレエコンクールが開幕
バレエ界の登竜門、第32回ローザンヌ国際バレエコンクールが、世界23カ国、119人の参加者を迎えて25日から始まっている。今年も日本からの参加者が最も多く、32名(女子28名、男子4名)が夢をかけてコンクールに挑戦している。
コンクールは1月25日に始まり、クラシック、モダンなどの課題曲の審査を通ると、31日の準決勝、1日の決勝に残れる。コンクールを目指す15歳〜17歳のダンサーの多くは世界の有名な希望するバレエ学校に留学できる「スカラシップ賞」と一流のバレエ団に研修生として参加できる「プロ研修賞」を目指す。
コンクールの選抜方法
参加者は事前にテープで送られていたクラシック、コンテンポラリーの課題曲、それぞれ4曲から1曲づつ選び、審査を受ける。28日の第一審査で準々決勝へ進む50名が選ばれ、準決勝に進める24人〜26人が選考されるのが30日だ。準決勝に残れば自分で用意してきたフリー・ヴァリエーションダンスを披露出来る。昨年と違って今年は準決勝、決勝と両方でクラシック、コンテンポラリー、フリーの3曲を踊る。
日本人が多い理由
今年も日本人が32名と断然多く、続いて韓国(14名)、オーストラリア(8名)と非欧州からの参加者が目立つ。今年の参加者の特徴は「昔はバレエ学校に留学しようとする15歳〜16歳の層が多かったのに対して、今年は半数以上が17歳〜18歳のダンサーで明らかにプロ研修賞を狙ってくる」と語るのはローザンヌ国際バレエコンクール日本事業部代表の山田博子さん。これは「才能のあるダンサーが踊って食べていくのが難しい」日本のバレエ環境を反映しているそうだ。コンクールの後、バレエ学校の付属のバレエ団に入団したり、プロのカンパニーの研修生として一年過ごした後、正式に入団するケースも多く、バレエ界の就職活動場にもなっているようだ。
今年のコンクール
今年の審査委員長はアメリカン・バレエシアターのスタジオカンパニー芸術監督のジョン・ミーハン氏。審査員には日本からは新国立劇場バレエ団バレエミストレスの大原永子さん(元スコティッシュ・バレエ団のエトワール)やボルドー・バレエ団芸術監督で元パリのオペラ座でトップを踊っていたシャルル・ジュド氏などといった有名人の顔ぶれが揃う。今年は準決勝に進めなかった参加者にも世界のバレエ学校、バレエ代表者と出会う場が提供されるのも貴重だ。
スイス国際放送、 屋山明乃(ややまあけの)
今年のローザンヌ国際バレエコンクールの準決勝は1月31日、決勝は2月1日にローザンヌのボーリュ劇場で行われる。
今年はスイスインフォが準決勝は1日、決勝は2日に結果発表を含めた取材記事をお届けしますのでお楽しみください。
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