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ブータンの人口の大部分を占める少数民族は、国を支配する一族が使う言語と宗教を強いられている
© Adrien Golinelli/phovea
ゴミ収集システムがないため、ゴミは自然の中に放棄される
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戦争ごっこをするブムタン地方の子供たち。親たちはその間、外国人観光客をもてなす
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農村地方の子供たちの靴。人口の5分の3が農業に従事する。農業はほとんど機械化されていない
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プナカの城塞、プナカ・ゾン内にある町役場
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パロ国際空港の免税店エリアにやってきた観光客
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ブラックマウンテン地方の原始林。保護区域内にダム、採石場、道路が次々と建設されていく
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ジグメ・シンゲ・ワンチュク前国王の写真はブータンのどの家庭にも建物にもある。王族への批判は法律で禁止されている
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山で覆われたブータンにある唯一の天然資源は、水だ。ダムを造れば、権力者に利益がわんさか入る
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国民総幸福量(GNH)は仏教の教えに基づいている。へき地に住むこの男性は、本当の意味での国の発展を望んでいる
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外国人観光客がブータンを訪れるには、全て込みのツアーに参加しなくてはならない。参加費用は1日250ドル(約2万5千円)から。こうしたツアーはこの国の経済の支えになりつつある
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神聖な建物内部の壁に押された手形。チベット仏教はブータンの国教だが、アニミズム文化も浸透している
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電力がブータン産業のナンバー1。輸出総額の半分を占め、隣国インドの電球を照らしている
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貧しい地方から出稼ぎにやってきた労働者。スズメの涙にも満たないわずかな賃金で、過酷な条件の下、道路やダムを建設している
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ブータンでは仏像など宗教的な彫刻に大金がつぎ込まれる
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道路の建設作業員はボロボロの作業着を身につける。防護用装備はほとんどない。妻や子供も工事現場で暮らし、一緒に作業することもある
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スイス人写真家アドリアン・ゴリネリさんは、若いころからブータンに魅力を感じていた。人々が仲良く暮らす失楽園を想像し、憧れの国に実際に行ってみることに。だが、そこには想像とはかけ離れた現実が広がっていた。
このコンテンツが公開されたのは、
2014/08/16 11:00
「ブータンは、アジアのスイスのような国だと思ってきた。近代化の破壊的な一面がなく、人々が完全な調和の中で暮らす失楽園のようなものだと。
2012年にようやくブータンに行くことになった。現地の様子について情報は得ていたが、それでも現実はかなり違っていたため 、とてもショックだった。おかしなことに、ブータンについて記事を書く人を含め、大半の人がああいう理想的なイメージを抱き続けている。私が子供の時に描いていたまさにあのイメージだ。
ブータンはスイスとほぼ同じ面積で、両国とも強大な隣国に挟まれている。山の多い風景がアイデンティティーの形成に大きく関わり、両国民は他国に一度も支配されていないことを誇りに思っている。
スイスとブータンの特別な関係が始まったのは、ブータンの国王とスイスの実業家が個人的に連絡を取るようになった1950年代。シュルテス・レヒベルク家が初めてブータンの開発プロジェクトを支援し、資金は一家の個人資産だけで賄われた。
70年代に入ると、こうしたプロジェクトはヘルヴェタス(Helvetas)などスイスのNGOが行うようになり、農業、林業、酪農業、教師の育成、つり橋の建設といった分野で成功を収めた。
スイスは現在、諸機関の設立や統治に関するガイドラインの設置を中心に、民主主義国家としてはまだ若いブータンへの支援を続けている。
しかし結局、私たちが夢見たブータンは存在しなかった。楽園は手の届かないところにあるようだ。国というよりは巨大な建設現場。首都は絶え間なく膨張を続け、巨大ダムがすべての川の流れを制限する。かつてはアジアの最貧国だったこの国は、ぼろを隠すために国民総幸福量(GNH)を提唱し、ほぼないも同然の国民総生産(GNP)とすり替えた。
本当のブータンは、一方は中世に、他方はグローバリゼーションに顔を向けている。ビジネスが遍在する現代の経済社会へと変化を遂げ、GNHは優れたマーケティング手段となった。富裕層の観光客を呼び込むことに最大限の努力を払っている。ブータンをおとぎの国だと信じ込んでいる金持ちの中の金持ちだけに、訪問客を制限している」
ゴリネリさんはジュネーブ大学で文学を専攻。地政学に大変関心があり、40カ国以上を旅した。作品の中心にあるのは人物。経済モデルとその社会的意味を被写体の人物に投影させる。北朝鮮で撮影したシリーズ作品「Behind the Scenes(舞台の裏で)」は、2012年のフランスの写真賞(Young Talents Paris Photo)を受賞。
スイス・ニヨンのフォーカルギャラリー(Focale gallery)で、ゴリネリさんの展覧会が今月10日から9月21日まで開かれている。(Images, text and captions by Adrien Golinelli、編集 スイスインフォ)
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