チューリヒの中心地に広がる新しい観光スポット「Europaallee(オイロパアレー)」。チューリヒ中央駅のプラットホームのすぐ裏から古い建物が並ぶ4区まで、オフィスや住居、ホテル、レストラン、店、お出かけスポットや教育機関が軒を連ねる。
このコンテンツが公開されたのは、
Dominique Meienberg (Fotos), Ester Unterfinger (Text)
スイス連邦鉄道(SBB)は7万8千平方メートルに及ぶ広大な敷地の所有者で開発者だ。2009年に着工し、12年に開発の第一段階が終了。真新しい建物群がまた一歩、古い地区に近づいた。最後の開発区域は20年に竣工予定だ。
凝縮型の建物をメインテーマに据えたプロジェクトで、ここまで意見が分極化したのは珍しい。景観保護活動家やプランナー、都市開発のデベロッパー、住民、誰もがこの計画を話題にした。2006年、プロジェクトの是非を問う住民投票が行われ、65%の賛成で可決された。
一部の人々は、オイロパアレーは地域の高級市街地化につながると懸念する。高級な建物が出来れば商業にとっては嬉しい話だが、「普通のチューリヒ市民」が立ち入る余地はない。一方で、かつて治安の悪かったラング通り(Langstrasse)が新エリアの登場によって別の形で活気づき、再評価されるとみる人もいる。
それでもオイロパアレーがまだ何の特徴も持っていないというのが大方の意見だ。このエリアに人が集まるのは通勤のラッシュアワーの時間帯だけ。最近オープンしたばかりの映画館・文化スポット「コスモス」が、このエリアに文化的で社会的な風を吹き込んでくれるかもしれない。
(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)
続きを読む
おすすめの記事
チューリヒ中央駅がさらに大きく便利に
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ中央駅の利用者は1日約40万人。その数は2025年までに50万人に達すると言われる。こうした増加に対応するため、チューリヒでは同駅を中心に近郊路線を拡大するプロジェクトが2011年に立ち上げられた。期間は約7年…
もっと読む チューリヒ中央駅がさらに大きく便利に
おすすめの記事
鉄道駅、利用客急増で絶えず拡張
このコンテンツが公開されたのは、
チューリヒ中央駅は毎日延べ3000本の列車が発着する、世界で最も頻繁に利用されている駅の一つだ。またスイス全土では、日々、およそ100万人の通勤者や観光客が電車を利用しており、利用客数は増加の一途(いっと)をたどってい…
もっと読む 鉄道駅、利用客急増で絶えず拡張
おすすめの記事
チューリヒ駅の厨房を覗く
このコンテンツが公開されたのは、
カドリアン一族がチューリヒ中央駅で、列車乗客用のレストラン「バーンホフ・ビュッフェ(Bahnhof Buffet)」を開いたのが、1等車、2等車だけでなく、3等車もあった1923年。今では、チューリヒ中央駅の地下から幅広…
もっと読む チューリヒ駅の厨房を覗く
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。