英物理学者のスティーブン・ホーキング氏が14日、ケンブリッジの自宅で死去した。ホーキング氏は1987年、スイスの連邦工科大学チューリヒ校を訪問し、宇宙の起源についてスピーチを行った。その一部を映像で振り返る。
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患いながらも世界中で精力的に活動し続けたホーキング氏がスイスを訪れたのは1987年。ALS研究所への多大な貢献を称えられイベントに招かれた同氏は、9月4日に連邦工科大学チューリヒ校で「宇宙の起源」論について特別スピーチを行った。
独語圏の日刊紙NZZは当時の紙面でこう伝えている。
「拠点をチューリヒに構えるALS研究所の招待でスイスを訪問したホーキング氏は、ディスクに保存した合成音声で2つのプレゼンテーションを行った。まるでサイエンスフィクションのようだった。多くの文章はあらかじめ合成されていたものの、質問に答えるときには時間が掛かっていた。聴衆の一人が専門知識の欠如を詫びると、同氏は『大抵の人はそうだ』と熱く答えた」
(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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CaSSISとは?
CaSSISはカメラであると同時に、火星の表面や地形を高解像度のカラー立体画像で撮影できる高性能の望遠鏡でもある。
欧州宇宙機関(ESA)の「エクソマーズ・トレース・ガス・オービター」(ExoMars Trace Gas Orbiter、TGO)と呼ばれる火星周回衛星に取り付けられ、2016年3月14日、中央ヨーロッパ時間の午前10時31分にプロトンロケットに載せられて、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。
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