クロイツフェルト・ヤコブ病死急増
今年1年間にスイスでクロイツフェルト・ヤコブ病により死亡した人は19人で、過去10年間に比べて急増したことが保健省の報告で明らかになった。保健省では狂牛病との関連を調べている。
クロイツフェルト・ヤコブ病は、プリオンとよばれる生体内にあるタンパク質粒子が原因で人間に起きる脳の疾患で、狂牛病と同様脳がスポンジ(海綿)状になり人格障害や痴呆、錯乱状態を示すこともある。現在のところ治療法はなく、発病後1年ほどで死に至ることが多い。
連邦保健省のロレンツ・ヘス報道官によると、スイスでは過去10年間に10人のクロイツフェルト・ヤコブ病による死亡が報告されているが、2001年はこの1年だけで19人が死亡した。この程度の数字では緊急事態ではないが、当局では狂牛病との関連を調べている。保健省のロレンツ・アムラー研究員は、日曜紙「ゾンターグツァイトゥン」の取材に対し、19人のクロイツフェルト・ヤコブ病の発病原因を解明することを最優先としているが、過去5年以内に外科手術を受けた人はいないため輸血によるものとは考えられず、牛の狂牛病と関連がある可能性が最も高いとしている。
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