自然を見つめたブラジル人写真家 「人間は本来、温和だった」
ブラジル人写真家セバスチャン・サルガドさんはこれまで数々の暴力を目の当たりにし、人への信頼をなくしていた。絶望的な気持ちの中、生まれ故郷ブラジルのアイモレスに戻った彼は、新たな情熱を見つけた。それは、自然の中に生きる人間の本来の姿を撮影することだった。
幼少時代を過ごした両親の土地は緑が豊かだった。しかし、月日を追うごとに伐採された部分が目立つようになっていった。
土地を引き継ぐことが決まると、パートナーのレイラさんにあるアイデアが浮かんだ。伐採された部分に大西洋の森の木を再び植林することだ。こうして誕生したプロジェクト「テレ(Terre、地球の意味)」では、これまでに200万本の木が植えられ、命が再び誕生する過程が観察できた。
情熱に火のついた2人は、手つかずの自然を紹介する新プロジェクト「ジェネシス(Genesis、誕生の意味)」を開始した。
準備に2年、写真旅行に8年。北極から南極、ガラパゴス諸島各地など世界中を回った。編集には2年かかった。
2部作の出版本は大ヒット。「ジェネシス」で撮影された写真は世界各地で展示され、スイスのエリーゼ美術館(ローザンヌ)でも2014年1月5日まで開催されている。スイスインフォはサルガドさんに、プロジェクトを振り返っての思いを語ってもらった。
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