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「スイス」エアーラインズがワンワールドアライアンスに

ワンワールドは「スイス」の加盟で、加盟会社が9社になる。 Keystone

スイス・インターナショナル・エアラインズ(以下「スイス」)は航空会社の世界的なアライアンス、「ワンワールド」に加盟すると23日、発表した。正式加盟は2004年の初め頃になる。

この加盟によって、「スイス」は9社目の加盟航空会社となり、利用者にマイレージプログラムの提携、ラウンジの共同利用など特典をもたらす。この提携によって「スイス」は年間、1億スイスフラン(約82億4千万円)の収入を得ると予想している。

合併より加盟

 「スイス」は噂されていたルフトハンザ航空の合併よりもワンワールドに加盟することを選んだことになる。しかし、「スイス」労働組合のダニエル・フィッシャー氏はテレビインタビューで「1億フランの収入を得たところで抜本的な解決法にはならない。“スイス”は当面の資金繰りに5億フラン(約411億円)を必要としている。ルフトハンザ航空との関係強化の方が長期的にスイスを救うことができた」と語った。一方、航空専門家のヤン・コチェネック氏は「ルフトハンザ航空の資本参加は最終的に “スイス”の消滅につながるだろう」と分析する。なお、ルフトハンザ航空の広報官はスイスとの合併計画があったことを認めている。

チューリヒ空港の利用

 ワンワールドは拡張されたチューリヒ国際空港を有効に利用して、中央ヨーロッパに大きな拠点を作ることができる。経営専門家のジェローブ・シュップ氏は「長期的にスイスを救う解決法ではないが一番、助かるのはチューリヒ空港だ」と言う。この協定でチューリヒ空港の重要性が増すと見るからだ。なお、同氏は「スイスは長距離フライトの幾つかで譲歩せざるを得なくなる」と見ており、東京行きやロサンゼルス行きの便がロンドン経由になるかもしれないという。

ブリティッシュ・エアウェイズと提携も

 「スイス」は英国のブリティッシュ・エアウェイズとも提携し、スイス−英国間のフライトの共同運航などを予定している。この協定は正式には10月末に発表される。

「スイス」の経営難

 スイスは設立最初の年から9億8千万スイスフランの損失を出しており、現在も5億フランの運転資金が必要だという。リストラプランも再三発表され今年の10月からは4分の1の目的地を削減する予定。欧州行きの格安便を始めるなど対策を講じているものの多くの専門家は「需要に対して規模が大きすぎ、運営コストも高すぎる」と分析している。

ワンワールドって何 ?

 ワンワールド・アライアンスは1999年に創設された、現在では最も大規模な提携グループで、毎日9000フライトが570の都市、130カ国で運航されている。加盟航空会社はアメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェズ、キャセイパシフィック航空、カンタス オーストラリラリア航空、フィンランド航空、イベリア航空、エア・リンガス・アイルランド航空、ラン・チリ航空で「スイス」は9つ目の加盟航空会社になる。


スイス国際放送、 屋山明乃(ややまあけの)

−スイス・インターナショナル・エアラインズは旧スイス航空と地域航空クロスエアーが統合し、2002年、4月に発足した。

−ワンワールド・アライアンズはスターアライアンスなどといった提携グループの一つで、加盟会航空会社はアメリカン航空、ブリテッシュ・エアウェズ、キャセイパシフィック航空、カンタス オーストラリラリア航空、フィンランド航空、イベリア航空、エア・リンガス・アイルランド航空、ラン・チリ航空で「スイス」は9つ目の加盟航空会社になる。

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