チューリッヒで中小企業のためのアジア進出支援会議
アジア市場は拡大を続ける儲かる市場ということで、アジアとの取引を希望するスイス企業は多い。が、大企業がほぼ独占しているのが現状だ。スイス輸出協会は、アジア進出を目指す中小企業をバックアップするため、5日チューリッヒでコンフェレンスを開催する。
クリストフ・フナー・スイス輸出協会役員は、「我々は、アジア進出したいが社内に専門家がいないという中小企業を支援していく。世界中に自社スタッフを持つ大企業と違い、中小企業は専門家の支援を必要としている。」と言う。その中小企業支援プログラムの一環として、5日チューリッヒでアジア投資会議を開催する。会議の目的は、現在アジア取引を行っている会社、またこれからアジア市場進出を狙っている会社に、アジアに関する知識・情報を提供することにある。
講演者の1人、チバ・スペシャリティーケミカルで過去20年間アジア担当だったペーター・ソルグさんは、スイス企業はアジア市場の重要性を軽視していると言う。1982年からアジア各地に駐在した経験を持つソルグさんは、アジア商法に深い洞察を持つが「多国籍企業の場合、対外取引の25%はアジアとの取引だ。が、中小企業はほとんどアジア進出していない。」と言う。スイス企業は、アジアのパワーハウスだった日本の長引く不況に驚き憂翌オているかもしれない。が、ソルグ氏は「株式市場と同様、新市場への参入には2通りの方法がある。市場が上昇している時に入っていくか、または特定の不安材料はあるものの確実に安く入っていける時を選ぶかだ。長期的には、参入しないコストの方が今参入するコストよりはるかに高い。」と解説する。会議に出席する企業の最大の関心事は、成功するアジア進出のためにはどのような準備をすればよいかということだ。これについてソルグ氏は、最優先事項は市場調査、市場情報の開発、市場とのコンタクトの確立だと言う。「真剣な商談に入る前に、細心の調査をすること。次に、コネクションをつくり、ネットワークを築き、信頼できる関係を作り上げ、友人をつくることだ。この全てが、アジアのビジネスパートナーとの信頼関係をつくることに役立つ。」。
クリストフ・フナーさんは「輸出を支援する組織は他にもあるが、スイス輸出協会は、グローバルネットワークを活用し中小企業支援を中心に活動している。」と、同協会の主旨を語った。
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