ブランド品は南スイスで買うのがお得
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有名ブランド品を南スイスで買うイタリア人が増えている。ユーロ高に加え、本国より低いスイスの消費税と値下げ販売が、おしゃれ好きのイタリア人の購買意欲を刺激しているためだ。
最近では、日本人観光客もイタリア人のしたたかさに倣う。ファッションの本場ミラノではウインドーショッピングをするだけで、実際はバスに乗って50キロほど北上したスイスの町でお目当てのブランド品を買い上げるという。
スイスは欧州でも物価が高いとよく言われるが、イタリアの、とりわけ観光客に人気が高いベニスやローマなどの都市の物価はスイスよりも高い。「スイス政府観光局は、こうした事実を広く認知させてもっとうまく観光客を呼び寄せるべき」との声も聞かれる。
買い物上手
イタリア人がスイスに買物に来るのには、幾つかの事情がある。まず、スイスの通貨フランは昨年、対ユーロで約6%も下がった。同じものを買うのでもスイスとイタリアでは消費者の負担が違ってくる。
さらに、スイスの消費税はイタリアの消費税に比べて税率が3分の1ほど低い。
大型ショッピングセンターでの派手なバーゲンも消費者の購入意欲をあおる。イタリア国境近くのスイスの町、メンドリージオには「フォックスタウン」と呼ばれるショッピングセンターがある。工場の倉庫がいくつも集まった同センターには昨年で約250万人の買物客が来たが、そのうちの60%はイタリア人だったという。
フォックスタウンで販売を担当するジョアナ・ジアコモネさんは、「イタリアで買うより最高70%値下げしてあるわ」と自慢する。
得意客はイタリア人
イタリア人が買うのはブランド品だけではない。南スイスのルガノ商店街に並ぶイタリアワインや生鮮野菜、生花にまで及ぶ。
「ここはイタリアよりも安いわ。高いのは肉だけ」とルガノにやってきたイタリア人女性は笑う。
ルガノ観光事務所長のマルコ・ソルジェサ氏によると、統計上は、ドイツ語圏のスイス人やドイツ人の方がイタリア人よりも多くルガノを訪れるという。
「でも、イタリア人はお金の使い方が全然違うんだ。レストランに行けば、3つや4つのフルコースに、店で最高のワインを注文してくる。買い物はイタリア人の情熱、というけれど、彼らが店に現れると、店の人間はみんな喜ぶよ」と話している。
スイス国際放送 デイル・ベヒテル(ルガノ) 安達聡子(あだちさとこ)意訳
スイスの通貨フランは昨年、対ユーロで約6%下がった。
スイスの消費税はイタリアの消費税に比べて税率が3分の1ほど低い。
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