エラン種の雌牛同士が闘うスイス南部ヴァレー(ヴァリス)州伝統の闘牛大会外部リンクが4~5日、同州で開かれ、「女王の中の女王」と呼ばれるチャンピオンが決まった。(SRF、swissinfo.ch)
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ヴァレー州外部リンク、イタリアのアオスタ渓谷外部リンクで飼育されているエラン種は、足場の悪い場所を移動する能力、そのスピード、そして気性の荒さで知られる。
こうした性質を生かし、地元で公式の闘牛大会が誕生。多くのブリーダーが牛の繁殖に乗り出し、また大会は大勢の観光客が訪れるようになった。
大会は年齢・体重別で分けられ、牛はリングに入ると自分で対戦相手を選ぶ。ルールは簡単。逃げるか3連敗した牛は退場する。試合は5人の審判員、獣医、牛の飼い主が見守り、動物に何か異常があった場合はリタイアさせる。
ヴァレー州の闘牛シーズンは毎年春。そのハイライトとなるのがアプロで行われる5月の全国大会だ。4つのカテゴリーを勝ち抜いた牛たちが「女王の中の女王」の座を争う。
5日は120頭が出場。肌寒い天気にも関わらず、1万人以上の観客が試合の行方を見守った。優勝者はクレロンという名前の牛だった。最終戦で、自分より200キログラム軽い相手に勝利した。
ユニークなエラン種の繁殖と保存は、ヴァレー州にとって農業、文化、観光の観点から非常に重要な意味を持つ。 1950年代、農民たちがこの地を離れていったために一時絶滅の危機に瀕した。闘牛大会は、エラン種の保存に貢献しているという意見もある。
戦いに勝った牛は高値が付く。闘牛は今やヴァレー州の主要な観光資源で、このために多くの農家がエラン種を飼育している。
(英語からの翻訳・宇田薫)
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ヴェルビエは1950年代にスキーリゾートを開業。国内の他のリゾートと同様、統一的な都市交通計画がないまま自然発生的に発展してきた町だ。11月下旬の曇った日にもかかわらず、景観は息をのむほど美しく、町は華やかに飾り立てられている。スキーシーズンの繁忙期はまだ先だが、道路は車で混雑。歩くのが一苦労だ。
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交通事情は悪い。バスと乗用車が同じ車線を走り、車以外に有効な移動手段がない。ピア氏は、騒音と交通の不便さが町の深刻な問題だと指摘する。
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