ジュネーブの有権者は9日の住民投票で、高齢者介護施設や病院での自殺ほう助の選択肢を狭める保健法改正案を76.56%の反対で否決した。
このコンテンツが公開されたのは、
ジュネーブ州は引き続き、入所者が希望した場合は病院や高齢者施設内での自殺ほう助を認めることを義務付ける保健法の条項を維持する。
州議会は昨年、保健法から2つの条項を削除する改正案を可決。スイス・フランス語圏の自殺ほう助団体エグジット・スイス・ロマンドが施行に反対するレファレンダム(州民表決)を提起したため、投票にかけられた。
州議会は当初、自殺ほう助に関する監督委員会についての条項を削除する予定だった。しかし議論の中で、介護施設・病院内での自殺ほう助を可能にする条項も削除された。
ジュネーブ州議会では、自殺ほう助は既に慣行として受け入れられており、条文は時代遅れだと言う声が多数を占めた。エグジット・スイス・ロマンドはこれに対し、医療機関が条項がなくなったことを利用して、患者の自殺ほう助へのアクセスを制限する可能性があると訴えた。
明確な否決
レファレンダムが提起されると、いくつかの政党が突然方針を変更した。条項削除に賛成していた中央党(Mitte)、急進民主党(FDP/PLR)は最終的にレファレンダムを支持。右派の国民党(SVP/UDC)は自由投票に転じた。結局、2条項の削除に賛成した4政党のうち、態度を変えなかったのはジュネーブ市民運動(MCG)だけだった。
左派は、この改正は自殺ほう助へのアクセスの自由を後退させる危険性があると繰り返し主張していた。
保健担当のピエール・モデ州参事は9日、監督委員会廃止のみを盛り込んだ法改正案を再提出すると発表。「今度こそ議会で可決されることを望む」と述べた。
投票率は46.09%だった。
英語からのDeepL翻訳、追記:宇田薫、校正:上原亜紀子
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。