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スイスも金融システムのてこ入れへ

国家の傘で嵐をよけるスイスの銀行 Keystone

スイス連邦政府は10月16日朝、金融システムの安定化に向けた包括的な救済策を発表した。また、預金者の保護を改善する意向も明らかにした。

連邦内閣、国立銀行、および連邦銀行委員会 ( EBK/CFB ) は、金融危機で打撃を受けたスイス最大手のUBS銀行を支援することで意見がまとまった。

UBSを援助

 10月16日の連邦財務省 ( EFD/DFF ) の発表によると、連邦政府はUBSに対し60億フラン ( 約5254億円 ) の強制転換社債購入という形で資本参加する。また、預金の保護も強化する意向だ。これまでの保護対象預金額は3万フラン ( 約262万円 ) だったが、これを「相応な」金額に引き上げるという。この案は連邦議会の承認が必要だ。

 また、スイス国立銀行はUBSの特定目的会社設立に向けて最高540億ドル ( 約5兆4000億円 ) を融資する。UBSは同社へ600億ドル ( 約6兆円 ) を持ち出しする予定だ。UBS取締役会会長のペーター・クーラー氏は
「この激動の時代の中で、UBSは考えられるあらゆる対策を講じ、社内の連帯を保つつもりだ」
 と述べている。UBSは第3四半期、2億9600万フラン ( 約260億円 ) の純利益を計上する見通しだ。

 一方、今日発表になった業績報告によると、第2大手のクレディ・スイス ( Credit Suisse ) は赤字に転落し、第3四半期には13億フラン ( 約1200億円 ) の純損失を計上した。投資部門の税引き前損失は32億フラン ( 約2800億円 ) 、金融危機による損失は24億フラン ( 約2100億円 ) に上る。

 連邦銀行委員会は「スイスの金融システムを大幅に強化する」と今回の対策を歓迎している。10月16日のコミュニケによると同委員会は、
「UBSとクレディ・スイスの状況を1年以上にわたって非常に詳しく追い続けており、必要なときに適した対策を取り入れてきた」
 ということだ。

swissinfo、外電

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