スイス イスラエルのガザ空爆を批判
ここ40年間で最も血なまぐさい攻撃となった12月27日のパレスチナ空爆で、ガザ地区では少なくとも300人の死者が出た。イスラエルは攻撃の手を緩めず、28日には地上戦の準備に取り掛かった。
イスラエル内閣は2年半前のレバノン戦争以後初めて6500人の予備兵動員を認可した。国際連合 ( UN ) 安全保障理事会や欧州連合 ( EU ) 、そして数多くの国家が暴力行使の停止を求めているにもかかわらず、イスラエルとパレスチナの武装組織は28日にも攻撃を続けた。
過度の攻撃と批判
27日にはスイス連邦政府も、ガザ地区からの攻撃に対して行われたイスラエルの反撃を「度が過ぎる」と批判した。連邦外務省 ( EDA/DFAE ) は
「イスラエルには防衛の権利があるが、その際にも人権を顧慮すべきで、釣り合いの取れた処置を行うべきだ。イスラエルがガザ地区を封鎖していることで、負傷者の手当てがさらに困難になっている。人道的な救助活動のために即刻ガザ地区への立ち入りを可能にすべき」
と発表した。
連邦外務省はまた、ガザ地区からのロケット弾攻撃についても
「この攻撃はイスラエル国民にとって耐え切れない負担だ」
と批判した。一方、ジュネーブに本部を置く赤十字国際委員会 ( ICRC ) は、ガザ地区に医薬品の救援物資を送ることを決定した。
イスラエルは28日、地上戦への準備として多数の装甲車をガザ地区に向けて移動させた。「流し込まれる鉛」と呼ばれる攻撃を仕掛けることで、パレスチナ武装勢力によるイスラエル境界地域へのロケット弾攻撃を阻止するつもりだ。
イスラエル空軍は27日と28日の両日、ガザ地区のイスラム原理主義組織「ハマス」の拠点を数多く爆撃した。パレスチナ側の発表によると、この攻撃により180人の戦闘員が死亡したほか、およそ1000人の負傷者が出た。
また、イスラエルの戦闘機は28日、エジプトとパレスチナの境界地域でおよそ40カ所の密輸用トンネルも爆撃し、何百人ものパレスチナ人が境界線の金網を乗り越えてエジプトへ逃れようとした。
swissinfo、外電
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