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スイス、韓国への軍需品輸出を承認

スイス政府は今後も朝鮮半島の動向を見守る Keystone

スイスは韓国に榴弾発射筒と戦車のモーター部品を輸出しているが、スイス政府は2月17日、今年もこれらの輸出を承認した。

韓国は、今回審議の対象となっていた総額110万フラン (  約9570万円  ) に上る軍需品輸出先7カ国のうちの1カ国だった。

スイスの軍需産業

 スイスの軍需産業はあまり知られていないが、例えば2009年には総額7億2770万フラン ( 約636億円 ) の軍需品を世界74カ国に輸出している。

 そのうち64%がヨーロッパ向けで、ドイツへの輸出額は約1億4000万フラン ( 約89億円) でトップ。デンマーク、イギリス、ベルギーなどがそれに次ぐ。10%がアメリカ大陸向けだが、アメリカも第6位の輸出相手国になっている。アジアには25%で、韓国、日本にも輸出している。

韓国への輸出の背景

 基本的にスイスは紛争中の国、ないしは紛争の危険性を孕む国への軍需品輸出を禁止している。韓国への軍需品輸出は2005年に再開されたが、それは、スウェーデンなども含む「中立国による韓国監視委員会」が輸出再開を決定したからだ。

 しかし、スイス政府はここ数カ月間の韓国と北朝鮮の緊張関係を配慮し、今年の輸出許可を慎重に検討。その結果としてゴーサインを出した。

 連邦経済省経済管轄局 ( SECO) の軍需品輸出関係者によると、榴弾発射筒に関しては、それが催涙ガス弾など直接死に至らしめない種類の榴弾を発射させるものとして使用され、従って武器ではないとして許可したという。

 また、戦車のモーター部品も、モーターの一部を構成するアルミニウムの小型の箱型部品で、兵器そのものというより交戦時における二次的部品だとの認識により許可。

 しかし、スイス政府は今後も朝鮮半島の状況の進展とそれに対するヨーロッパ諸国の対応に注目し続け、こうした輸出にもストップをかける可能性を残している。

 一方、欧州連合 ( EU ) の統計によれば、EU諸国も総額約6億フラン ( 約520億円 ) に上る軍需品を韓国に輸出しており、ドイツとフランスが主な輸出国となっている。

 なお、NGO「軍隊のないスイス ( GSsA ) 」は今回のスイス政府の決定を批判。紛争に巻き込まれている国への軍需品輸出規制条例を強化した今日、韓国への輸出許可は法令に違反するとしている。

総額7億2770万フラン ( 約636億円 ) の軍需品を世界74カ国に輸出した。

トップの10カ国は以下の通り。

1.ドイツ 2.サウジアラビア 3.デンマーク 4.イギリス 5.ベルギー 6.アメリカ 7.オランダ 8.スペイン 9.スウェーデン 10.フランス。

 

なお、韓国は28番目の輸出相手国。総額215万フラン (  約1億8800万円 ) にあたる軍需品を輸出した。

及び外電

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