スイスの視点を10言語で

チューリヒ市の有権者、CO2回収プロジェクトを支持

大型施設
ヴェルドヘルツリ下水処理施設 Keystone / Christian Beutler

チューリヒ市の有権者は22日の住民投票で、市内の下水処理場における革新的なCO₂回収プロジェクトを承認した。

投票率は44.9%。有権者の75%超が賛成票を投じた。ヴェルドヘルツリ下水処理施設での気候変動対策プロジェクトには、事業費3500万フラン(約60億円)、2028年からの経常費用として1400万フランがかかる。

プロジェクトでは下水汚泥の焼却で発生するCO₂を回収して液化する。液化された温室効果ガスは再生コンクリートに貯蔵されるか、タンクローリー、列車、船でデンマークに運ばれ、北海の地中に貯蔵される。

おすすめの記事
ドーム型の施設

おすすめの記事

スイスのCO2、アイスランドで石に

このコンテンツが公開されたのは、 産業部門からのCO2を回収・貯留(CCS)する技術により、スイスの二酸化炭素(CO2)をアイスランドの地中で鉱物化する試験事業が好成績を上げている。だが高コストで複雑なこの技術に投資する価値はあるのだろうか?

もっと読む スイスのCO2、アイスランドで石に

毎年2万5000トンのCO₂を大気中から除去することを目指す。6月にチューリヒ市議会で行われた討論会では、主にデンマークへのCO₂輸出に批判的な声も上がった。

ヴェルドホルツリ・プロジェクトが成功すれば、ハーゲンホルツごみ焼却場でも同様の計画が実現することになる。同焼却場では、年間18万トンのCO₂を回収できる可能性があり、2035年以降のスタートを見込む。

英語からの翻訳:宇田薫

おすすめの記事
解体現場に立つ男女

おすすめの記事

コンクリート廃材でCO₂を回収 スイス企業が新技術

このコンテンツが公開されたのは、 コンクリートを温室効果ガスの排出源から吸収役に変える技術を、スイス・連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)のスピンオフ企業が開発した。セメントの世界大手ホルシムとも提携し、2030年までに100万トンの二酸化炭素(CO₂)除去を目指す。

もっと読む コンクリート廃材でCO₂を回収 スイス企業が新技術

最も読まれた記事
在外スイス人

世界の読者と意見交換

ニュース

自転車で遊ぶ子ども

おすすめの記事

スイス、国際養子縁組を終了へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府は29日、外国籍の子どもの養子縁組を終了する意向を表明した。虐待防止に向けた対策としている。

もっと読む スイス、国際養子縁組を終了へ
生殖治療の画像

おすすめの記事

スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針

このコンテンツが公開されたのは、 スイス政府は29日、生殖補助医療法を改正し、カップルに対する卵子提供を合法化する方針を発表した。政府はまた既婚・未婚問わず全てのカップルへの精子・卵子提供を解禁する意向を示した。

もっと読む スイス、全てのカップルへの精子・卵子提供を合法化へ 政府方針
研究施設で働くマスク姿の人

おすすめの記事

スイスに感染症情報解析センター発足

このコンテンツが公開されたのは、 感染症に関する情報を収集・解析する「病原体バイオインフォマティクスセンター(CPB)」が23日、スイスの首都ベルンに新設された。集約したゲノムデータを管理・解析し、スイスの感染対策を改善する役割を担う。

もっと読む スイスに感染症情報解析センター発足
茶色い除湿器

おすすめの記事

ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。

もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む
ベルジエ報告

おすすめの記事

「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱

このコンテンツが公開されたのは、 スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。

もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
整備中の飛行機

おすすめの記事

スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠

このコンテンツが公開されたのは、 スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。

もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部