スイスでは28日、司法の独立性確保と非政治化を目的としたイニシチブが国民投票にかけられる。同イニシアチブでは、くじ引きによる最高裁判官の選出を可能にする憲法改正を求めている。
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現在、スイスの最高裁判事は6年ごとに連邦議会で選出される。議会は、政党の勢力に応じ裁判官のポストを配分してきた。裁判官に選ばれた人は、世界でも例のない「委任税」と呼ばれる負担金を所属政党に払わなければならない。
欧州評議会の反汚職国家グループ(GRECO)は18年、スイス連邦最高裁の裁判官選挙の手続きは「現代の民主主義の原則とは相容れない」とした報告書を発表した。欧州評議会が特に問題視したのは、選任された裁判官が毎年、報酬の一部を所属政党に支払わなければならない点だった。これは間接的な政治献金にあたる。無所属の裁判官が1943年以降、最高裁判事に選出されていない要因にもなっている。
同イニシアチブは、Lorzeグループの所有者で企業家のアドリアン・ガッサー氏を中心とする市民委員会が推進している。スイスで最も裕福な企業経営者の1人である同氏は、最高裁判官は政治的なネットワークを持っていなくても、実力で選出されるべきだと話している。
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(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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