左派の保険料軽減策が否決 各陣営の反応
社会民主党(SP/PS)が提案した保険料軽減イニシアチブ(国民発議)が9日の国民投票で否決された。賛成派、反対派はこれにどう反応したのか。
今回の国民投票にかけられた提案4件のうち、最も結果が僅差になると予想されていたのは保険料軽減イニシアチブだった。
だが投票が締め切られた正午時点で既に、過半数の賛成を得られないことははっきりしていた。
イニシアチブを推進していた社会民主党、労働組合の左派支持層はこの結果に落胆した。一方、右派の国民党(SVP/UDC)、急進民主党(FDP/PLR)、自由緑の党(GLP/PVL)ら反対派は、この明確な結果を喜んだ。
急進民主党のレジーネ・ザウター下院議員は、国民の大多数が、このイニシアチブは対症療法に過ぎないことに気づいていたと述べた。
負けた側は落胆したが、冷静に結果を受け止めた。社会民主党のバティスト・フルニ上院議員は、医療制度の悪さを改善するためには、その構造に目を向けなければならないと発言。同党のサミラ・マルティ上院議員は、医療費の問題は依然として「最大の関心事」だと語った。
フランス語圏では賛成上回る
保険料を世帯収入の10%上限とする保険料軽減イニシアチブで賛成が過半数に達したのはスイスのフランス語圏5州、イタリア語圏のティチーノ州、ドイツ語圏ではバーゼル・シュタット準州だけだった。
国民党のハンネス・ゲルマン下院議員は、医療費負担は依然として高いが、連邦議会の出した対案は「(医療)制度を再び救う」と語る。
対案は、基礎医療保険料減免にかかる最低拠出金を州に義務付けるもの。施行に反対するレファレンダム(国民表決)が提起されない限り、自動的に発効する。
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独語からの翻訳:宇田薫、校正:大野瑠衣子
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