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情報サミット 基本宣言を採択

国連のアナン事務総長が開幕式で。 Keystone

 スイス、パスカル・クシュパン大統領は12日の閉幕式で「ジュネーブ2003は新しい国際対話の始まりとして、またデジタル連帯という新しい政治概念ができた場として人々の思いに残るだろう」と情報サミットの議長として語った。

 また、クシュパン大統領は「国連の歴史上、初めて各国政府だけでなく市民団体も議論に参加できるようになったことも革新的だった」と続けた。各国はサミットで情報通信社会の発展がどの国にも不可欠で、情報格差を解消していかなければいけないという認識で一致した。

サミット閉幕

 最終日に採択された基本宣言は今後のITCのインフラ整備、情報へのアクセスの自由、人材の開発、ネット上の安全確保、メディアの重要性、文化的多様性の保持などICTを享受するための基本原則が挙げられている。 

 この基本宣言をどのように実行に移すかを検討したものが行動計画だが、具体化は2005年の次期チュニジアサミットまで待たなければならない。

スイス、役割果たす

 スイス政府はこのサミット開催に向けて、2年半以上もの準備会合を重ねるなど、努力をしてきた。準備会合では宣言案の中で人権尊重に関する項目やメディアの自由についてなど対立が続いたが、最終的には合意に達した。国連のICTタスクフォースのサルブラン・カーン氏は「サミットは大成功だった。困難を乗り越え大切な項目で合意を見つけることができたから」と語った。

サミット批判、次はチュニジア

 フランスのリベラシオン紙(12月11日付け)が「情報サミットはジャーナリストよりも独裁者に優しい」と批判する訳は参加した途上国の首脳に言論の自由弾圧で知られているチュニジアのベン・アリ大統領や人権弾圧で非難されているジンバブエのムガベ大統領などといった顔ぶれが含まれていたからだ。ムガベ大統領はスイス入国を禁止されているが国連の招待ということで入国した。サミットを批判する市民団体などからは「先進国の首脳陣はボイコットしたくせに、独裁者は言論を統制できるようにチェックにきた」との声も聞かれた。

 もっともNGOが最も声を挙げて非難するのは次のサミットの開催地についてである。2005年開催予定の第2弾はチュニジアのチュニスだからだ。フランスに本部を置く「国境なき報道記者団」(RSR)協会は「チュニジアは世界で言論の自由が統制されているトップ20の国に入る」と言い、「チュニジア開催は恥である」と憤慨する。 

 先進国のリーダーが少なかったことに関してスイスの交渉責任者、マルク・フューラー氏は「出席しなかった首脳陣はそれが間違いだったと認識するだろう。次回の出席を願っている」と語った。


スイス国際放送、アンナ・ネルソン、フレデリック・ビュルナン、屋山明乃

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