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核ごみ処分場計画「国民投票で可決されれば加速」 

取材に応えるナグラのマティアス・ブラウンCEO
19日、連邦エネルギー省に核廃棄物最終処分場の建設認可申請を提出した後、インタビューに答えるナグラのマティアス・ブラウンCEO Keystone / Peter Klaunzer

スイス・チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画をめぐり、計画主である放射性廃棄物管理協同組合NAGRA(ナグラ)は、国民投票による決着を歓迎する姿勢を示す。

マティアス・ブラウン最高経営責任者(CEO)は19日付のドイツ語圏日刊紙NZZで、国民投票により有権者が建設計画に正当性があると認めれば、計画が加速するとの期待を示した。ナグラは同日、連邦エネルギー省に建設の認可申請書を提出した。

ブラウン氏は、国民が深地層の処分場問題や技術的データに関心を抱くのは当然だと述べた。抗議運動で建設プロセスが進まなくなる可能性もあるとみる。「だからこそ、処分場に関する国民投票が重要性を増す」。有権者の承認は前進への「強いシグナル」になると語った。

国民投票を求める

計画に異を唱える国民投票の発起人委員会が15日会見し、連邦議会の通過後に有権者自身が計画の是非を判断すべきだと訴えた。このような複雑な問題に関しては有権者が最終決定権を持つべきだと主張した。

計画に代替案や撤回の選択肢がないことを批判した。また埋立地が将来世代の人間や環境に危険をもたらすと述べた。

新原発の廃棄物は処理できず

ナグラがチューリヒ州シュターデル市に放射性廃棄物の処分場を建設する計画を決めたのは2022年9月。ブラウン氏はNZZに「稼働60年の既存原発から排出される廃棄物量を処理できる施設を計画している」と語った。余裕は持たせているが、スイスが今後もし原発を新設した場合には、その廃棄物の処理能力はないとみる。

連邦エネルギー省は25年春までに包括認可申請書を審査する。計画の詳細が公開されるのはその後だ。連邦内閣・議会は、2029年から最終処分場の是非を審議する。建設は2045年に開始予定。

ブラウン氏は「有権者が、例えば2030年に国民投票で最終処分場の建設を否決すれば、ボールは政治家の手に渡る。その場合、新たにやり直さなければならない」と話した。放射性廃棄物の責任は次の世代に引き継がれることになる。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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