激増する医療費の抑制対策
5月11日、各政党と医療関連機関の代表約80人が3時間半にわたり、医療を担当するパスカル・クシュパン内務相と医療費抑制に向けた解決策について話し合った。しかし、30フラン ( 約2600円 ) の初診料を導入するなどのクシュパン内務相の提案に対する疑念は拭われないままに終わった。
連邦内務省 ( EDI/DFE ) 広報官のジャン・マルク・クルボアジェ氏によると、クシュパン内務相は内務省が作成した提案について説明した後、参加者の意見を聞いた。協議は建設的な雰囲気で進められ、クシュパン内務相はどのような質問にも答える姿勢で話し合いに臨んだという。
意見を聞くための会議
クルボアジェ氏はまた、小さな組織も直接クシュパン内務相と話し合う機会を持てたこと、クシュパン内務相はこの会議に満足していることなどを伝えた。今回の会議の目的は関係者の意見を聞くことであり、今後これらの意見を参考に決定が下される予定だ。
関係団体や各政党はさらに、連邦内務省に対し、今週末までに意見書を提出することができる。これは今回の会議に出席しなかった団体にも適用される。連邦内務省によると、医療費低減対策案は5月末までに閣僚会議にかけられ、連邦議会には夏季休会前に提出されることになっている。
「スイス通信社 ( SDA/ATS ) 」が会議の出席者に行ったアンケート調査によると、今回の聴聞会では、医療費抑制提案に対してすでに聞かれていた疑念を拭い取ることはできなかった。病院連盟「H+」代表のベルンハルト・ヴェクミュラー氏は
「全体としては、明らかに初診料導入に反対の雰囲気だ。また、今提案されている対策では医療費を抑制することはできないという意見がほとんどだ。われわれの連盟も、無料電話相談以外、今の提案にはすべて反対している」
と述べた。
「 スイス医師組合 ( FMH ) 」のジャック・ドゥ・ハラー会長もまた
「出席者の多数は提案された対策に反対だ。しかし、激しい議論にはならず、これまでの立場が確認されただけに終わった」
と言う。
「聴聞会は整然と礼儀正しく進んだ」と、健康保険協会「サンテスイス ( Santésuisse ) 」の代表を務めるシュテファン・カウフマン氏も同じ意見を述べる。
「この会議はこの対策をスタートさせるに当たっての公式なステップだった。通常の書面による態度決定では、あれこれ議論をすることもできない」
swissinfo.ch、外電
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