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連邦両議会が並行輸入を可決

医薬品を除き、遅くとも2010年には並行輸入が導入される

全州議会 ( 上院 ) に続いて国民議会 ( 下院 ) も12月16日、賛成96票、反対87票で欧州連合圏からの並行輸入の導入を可決した。唯一の例外は医薬品だ。

連邦議会では、特許製品の並行輸入について長期にわたって討議が行われてきた。国民議会は当初、連邦内閣と同じく正規の販売網を通さない輸入に反対の意を表明していたが、国民議会委員会の動議に基づき、この度EU圏内の並行輸入を認めることになった。

特許権の保護か、消費者マインドの刺激か

 国民議会議員の過半数は、欧州連合 ( EU ) 圏から特許製品の並行輸入を導入することで、「高いスイスの物価を下げることができる」と期待を寄せる。最も安い仕入先から商品を購入すれば、物価が下がって競争が活発化するほか、消費者の購買力も安定するというわけだ。

 並行輸入の導入に反対を唱えたのは中道右派だ。アールガウ州の急進民主党 ( FDP/PRD ) フィリップ・ミュラー議員は
「革新的なスイスの長所を放棄する底抜けの愚行だ。特許権保護をただで手放すようなことはあってはならない」
 と批判した。

 これに対し左派は
「特許権保護は製品が模倣されないように保護するためのものであり、価格保護のためではない。ここで大切なことはただ1つ。スイス国内で販売されているスイス製品の価格が外国の倍もしないこと。現在の経済状況で価格が下がれば、消費者は活気づけられる」
 と強調した。キリスト教民主党 ( CVP/PDC ) の大多数もこの意見を支持した。

 エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ司法相は
「物価が下がる可能性はごくわずかだ。また、世界貿易機関 ( WTO ) との間に問題が生じる可能性もある」
 と反論したが、並行輸入の禁止を守りきれなかった。国民議会委員会の広報担当スザンヌ・ロイテンエッガー・オーバーホルツァー氏 ( SP/PS ) によると、並行輸入によって節約されるお金は年間1億5000万フラン ( 約117億円 ) になるという。


swissinfo、外電

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