スイスの視点を10言語で

世界最古の原子力発電所、2033年に稼働終了

ベツナウ原発
世界最古のベツナウ原発 Keystone / Michael Buholzer

スイスの電力会社アクスポは5日、世界で最も古いベツナウ原子力発電所の稼働を2033年に終了すると発表した。33年までの運転継続にかかる追加事業費は3億5000万フラン(約600億円)を予定している。

おすすめの記事
ニュースレター登録

おすすめの記事

ニュースレター登録

ニュースレターにご登録いただいた方に、スイスのメディアが報じた日本のニュースを毎週月曜日に無料でEメールでお届けします。スイスの視点でニュースを読んでみませんか?ぜひこちらからご登録ください。

もっと読む ニュースレター登録

スイス北部に位置するベツナウ原子力発電所はアーレ川の小さな人工島に建設された1号機と2号機で構成されている。1号機は1969年、2号機は1971年に稼働を開始した。

ベツナウ原発はライプシュタット、ゲスゲンの他の2つの原発とは異なり、冷却塔を備えていない。このため冷却水にアーレ川の水を使用している。

ベツナウ原発
ベツナウ原発のそばを流れるアーレ川 Keystone / Gaetan Bally

ベツナウ原発の2号機は2032年、1号機は2033年まで稼働する。

アクスポは、今回の決定は「広範な」検討の結果だとした。外部の専門家、サプライヤー、監督機関のスイス連邦核安全監督局(ENSI / IFSN)を加え、「すべての検討段階で安全性が最優先された」と述べた。

ベツナウ1、2号機の改修・近代化にはこれまで25億フランが投じられている。アクスポは「ベツナウ原発はも最も厳しい安全条件に準拠している」と述べた。

ベツナウ原発の年間発電量は約6テラワット時。4人家族の130万世帯分の消費量に相当する。

原子炉の運転免許には期限がなく、これまで具体的な停止日は決まっていなかった。ただ業界では少なくとも60年の耐用年数が想定されていた。

ベツナウ原発は64年の稼働期間を経て廃炉になる。

スイスで最も歴史が浅く、規模が最も大きいライプシュタット原発は1984年に稼働を開始。少なくとも2045年まで運転を継続できると想定されている。

スイスでは現在、原発の新規建設が認められていない。このため水力や太陽光など、再生可能エネルギーでの発電で賄う必要がある。

英語からの翻訳:宇田薫

ニュース

アルコール検査

おすすめの記事

スイスのドライバー、2割が飲酒運転

このコンテンツが公開されたのは、 欧州など39カ国のドライバーを対象にした調査で、スイスでは2割超が飲酒運転をしたことがあると回答した。

もっと読む スイスのドライバー、2割が飲酒運転
銃口

おすすめの記事

狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部

このコンテンツが公開されたのは、 先月29日午後、スイス西部ヴォー州で64歳の男性が狩猟中に死亡した。イノシシを撃とうとした 猟友会のメンバーに射たれた。

もっと読む 狩猟中の事故で男性死亡 スイス西部
サルコ

おすすめの記事

自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束

このコンテンツが公開されたのは、 今年9月にスイスで初めて使われた自殺カプセル「サルコ」について、連邦内閣は、当分の間、立法措置は必要ないとの見解を示した。サルコ運営団体は2日、身柄を拘束されていたフロリアン・ヴィレ代表が釈放されたと発表した。

もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が釈放 70日拘束
金塊

おすすめの記事

スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの金融誌ビランツがまとめた長者番付2024年版によると、スイス在住の富豪トップに輝いたのは、仏高級ブランド・シャネルのオーナー家族の1人、ジェラール・ヴェルテメール氏だった。上位の顔ぶれはほぼ前年と同じだが、香料メーカーのフィルメニッヒ(Firmenich)創業家が初のトップ10入りを果たした。

もっと読む スイス在住長者番付2024 トップはシャネルのオーナー
ポイ捨てされた空き缶と小鳥

おすすめの記事

スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。

もっと読む スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査
鉄道の時刻表

おすすめの記事

スイス国鉄、夜間列車を増発

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB/CFF)は27日、新ダイヤを発表した。長距離・地域間の夜行列車が増える。12月15日に発効する。

もっと読む スイス国鉄、夜間列車を増発
ロレックスの本社ロゴ

おすすめの記事

2025年の高級品市場、米国が牽引役に UBSレポート

このコンテンツが公開されたのは、 高級品市場は中国での需要減退により、2025年は米国が成長のエンジンとなる――スイスの銀行UBSが25日発表したレポートでこんな見通しを示した。

もっと読む 2025年の高級品市場、米国が牽引役に UBSレポート
兵士

おすすめの記事

スイス製狙撃弾60万発以上がウクライナに

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの弾薬製造会社Pディフェンスの狙撃用弾薬が昨年7月、ポーランドの会社経由でウクライナに届いていた。スイス公共放送が報じた。

もっと読む スイス製狙撃弾60万発以上がウクライナに
取材に応えるナグラのマティアス・ブラウンCEO

おすすめの記事

核ごみ処分場計画「国民投票で可決されれば加速」 

このコンテンツが公開されたのは、 スイス・チューリヒ州の放射性廃棄物処分場建設計画をめぐり、計画主である放射性廃棄物管理協同組合NAGRA(ナグラ)は、国民投票による決着を歓迎する姿勢を示す。

もっと読む 核ごみ処分場計画「国民投票で可決されれば加速」 

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部