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日中韓、パクス・アメリカーナ、AIユニコーン、刀鍛冶…スイスのメディアが報じた日本のニュース

日中韓貿易相会合
トランプ自動車関税の発動が迫る中、30日にソウルで開かれた日中韓経済貿易相会合にスイスメディアも注目した Lee Jung-hoon/Yonhap via AP

スイスの主要報道機関が先週(3月24~30日)伝えた日本関連のニュースから、①日中韓経済貿易相会合②「米国覇権に取って代わる日本とドイツ」③エヌビディアに挑戦する和製AIユニコーン④初の外国人刀鍛冶、の4件を要約して紹介します。

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日中韓「自由で公正な貿易・投資環境」推進で一致

米国は4月3日、輸入自動車・部品に25%の追加関税を発動します。自動車生産・輸出国である日本の対応はスイスでも注目が集まり、石破茂首相が27日に「適切な対応を考えていかなければならない」と発言外部リンクしたことなどが報じられています。

中でも30日にソウルで開かれた日中韓経済貿易相会合は、主要3言語圏のメディアが取り上げました。なかでも共同声明の「貿易と投資のための予測可能な環境を創出するため」という文言が注目されています。

イタリア語圏のティチーノ・オンラインは、会合を「トランプ氏の動きは、3カ国が長年の領土・経済紛争を超えて再び協議を始めるきっかけとなった」と評価しました。会合では3カ国間自由貿易協定に向けた交渉を加速することで一致しましたが、同紙は「この問題は13年間議論されてきたが、実質的な進展はなかった」と報じています。(出典:ティチーノ・オンライン外部リンク/イタリア語)

米国にとってかわるのはドイツと日本

「トランプ政権下の米国が善良な覇者としての役割を捨てるなら、政治的自由の擁護は日本とドイツの2国に委ねられる」。著名オランダ人作家・ジャーナリストのイアン・ブルマ氏の論説が3月5日付のProject Syndicate誌に掲載され、反響を呼んでいます。この論説がスイス・ドイツ語圏の大手紙NZZに寄稿として転載されました。

ブルマ氏は「東・東南アジアでパックス・アメリカーナ(米国による平和)が終焉した場合、アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設が、中国による近隣諸国の属国化を防ぐ唯一の方法となる」と指摘。そのリーダーシップを取れるのは日本だけだと主張しました。

しかし「アジアの多くの人々は、第二次世界大戦中の祖先の残虐行為を認めたがらない指導者たちを擁する保守政党が長い間支配してきた日本に、そのような重要な役割を与えることに懐疑的」だと注記。日本人自身も、ドイツ人と同じように自分たちを信頼する準備ができていない、とみています。(出典:NZZ外部リンク/ドイツ語)

エヌビディアに挑戦する和製AIユニコーン

人工知能(AI)開発競争の中で米エヌビディアなど大手半導体企業が主導的地位を果たすなか、1月には中国製AIモデル「ディープシーク(DeepSeek)」の登場が世界に衝撃を与えました。スイスの金融メディア・フィナンツェンは、日本にも隠れたAIスタートアップがエヌビディアに挑んでいるとして、プリファード・ネットワークス(Preferred Networks)を紹介しました。

プリファードは日本で数少ないユニコーン企業の一つ。記事は、最高研究責任者の岡野原大輔氏が米放送局CNBCで語った「当社は過去10年間、AIを使って現実世界の問題を解決することに取り組んできた」という言葉を引用しています。例として、三井物産と共同でトラック運転手の長時間労働の問題に取り組んでいることを挙げました。(出典:フィナンツェン外部リンク/ドイツ語)

初の外国人刀鍛冶はスイス出身

2024年春、初の外国人刀鍛冶として話題を呼んだジョハン・ロイトヴィラーさん(35)は、スイス南部ヴァレー(ヴァリス)州出身です。この春広島県三原市に自身の工房を開設したことが英字紙ジャパン・タイムズ外部リンクで紹介され、スイスの無料メディア20min.が同紙を引用しました。

ロイトヴィラーさんは2005年、15歳の時にスイスで開催された日本刀の展示会を訪れ、その優美さに魅了されたといいます。数年後に日本に移住し、2019年から広島県庄原市の刀匠・久保善博刀さん(60)に弟子入りしました。

ロイトヴィラーさんの作る刀には「三原住光綱」と刻まれています。光綱はロイトヴィラーさんの刀匠名。住地を刻むのは「第二の故郷に敬意を表することで、地元の人々への感謝の気持ちを表したい」からだ、と記事は伝えています。

全日本刀匠会外部リンクは、外国人の弟子を取る刀鍛冶がほぼ皆無であること、言葉やビザの問題から、外国人が刀鍛冶になるのは「非常に難しい」としています。(出典:20min.外部リンク/ドイツ語)

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話題になったスイスのニュース

先週、最も注目されたスイスのニュースは「スイスで29日に部分日食」(記事/日本語)でした。他に「ベルン大、チベット語コースの募集停止」(記事/日本語)、「スイス景気に『大きな下振れリスク』 KOF予測」(記事/英語)も良く読まれました。

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次回の「スイスで報じられた日本のニュース」は4月7日(月)に掲載予定です。

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校閲:大野瑠衣子

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