コンゴでスイス人が誘拐される

4月9日から、赤十字国際委員会の職員8人がコンゴ ( 旧ザイール ) で誘拐されたことが13日、AFP通信の報道で分かった。人質の1人はスイス人という。
このニュースを赤十字国際委員会 ( ICRC ) は認め「犯人グループに対し、即刻 人質の解放を要求した」とフランツ・ラウヘンシュタイン広報担当は語った。
目的は不明
「職員とは連絡を取り合っている。また、職員の家族には連絡した」
とラウヘンシュタイン氏は語った。人質8人のうち7人はコンゴ人で、1人はスイス人だが、家族の希望により名前は明らかにされていない。事件があった場所はフィツィ ( Fizi ) から活動を終えて帰る途中、マイ・マイ軍の兵士に連れ去られたという。AFP通信によると、その後人質は、事件発生現場から南方へ250キロメートル離れたブカヴ ( Bukavu ) まで連行されたという。ブカヴは南キヴ州 ( Kivu ) の州都で常に政情が不安定な地域である。
赤十字国際委員会の職員の1人はAFP通信に対し、マイ・マイ軍とは現在交渉中であると認めた。誘拐の目的は不明で、現在のところ身代金の要求もされていない。
ヤクトゥンバ・アムリ氏が指導するマイ・マイ軍は、カビラ政権の約束が反古になったとして、政府軍に抵抗している。最近になって政府軍に帰属すると宣言していたが、今回の人質事件で、15年間にわたる内紛がさらに複雑化したことを印象付けることになった。
swissinfo.ch、外電
何度も、職員が人質となっているがすべての職員が解放されている。
<主な事件>
2009年10月22日
ダルフールで赤十字委員会役員のゴティエー・レフェーブル氏が武装軍に誘拐されたが、今年3月18日に解放された。
2009年1月15日
フィリピンのジョロ島でスイス人1人を含む職員3人が、イスラム系アブサヤフ武装軍に誘拐される。同年4月と7月の2回に分けて解放された。
2008年2月初旬
パキスタン、ペシャワールで2人の現地人職員が誘拐される。犯人は不明。人質は2週間後に開放された。
2007年9月
タリバン兵士がアフガニスタン中部のヴァルダクで4人の職員を誘拐。誤解があったためとみられ、4日後には解放された。
1999年2月
スイス人職員2人と、スーダン人の職員及び政府役人5人が南スーダンの解放軍 ( SPLA ) に誘拐される。3週間後にスイス人2人とスーダン人1人は解放されたが、4月には拘束されていた残りのスーダン人は殺害された。

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