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サッカーU-21欧州選手権、胸を張ってスイスに帰国

スイスのMFシェルダン・シャキリの胸に銀メダルが輝く Keystone

U-21(21歳未満)スイス代表サッカーチームが6月26日、銀メダルと共に帰国した。欧州選手権決勝で強敵スペインに惜しくも0-2で敗れたものの、大勢のファンがチューリヒに駆けつけ、選手たちを温かく迎えた。

また、国内メディアはスイスチームの快挙を大々的に伝えた。

 UEFA U-21欧州選手権決勝は25日デンマークで行われた。前半41分、アンデル・エレーラのゴールでスペインが先制。ディダク・ビラが放ったクロスを、スイスのセンターバックをすり抜けたエレーラが受け止め、豪快なヘディングでゴールに叩き込んだ。

 後半戦はスペインがリードし、スイスに反撃の余地を与えなかった。試合終了間近の81分、チアゴ・アルカンタラが45メートルの距離からフリーキック。ボールはゴールキーパーのヤン・ゾマーの頭上を越え、ネットに吸い込まれた。これでスペインは2点目を獲得。スペインはワールドカップと欧州選手権に続き、U-21欧州選手権でも優勝を勝ち取った。

 惜しくも敗れたスイスだが、今回の決勝進出により、2012年に開かれるロンドンオリンピックの出場資格が確定した。

例外的な強さ

 ドイツ語圏の日曜新聞「NZZアム・ゾンターク(NZZ am Sonntag)」は、スイスのような小国でもトーナメントで決勝に進出できることが今回のU-21スイス代表の活躍で証明されたと称讃。スイス代表のピエルルイジ・タミ監督や選手らのパフォーマンスは素晴らしく、例外的だと評価した。しかしこれで今後スイスのナショナルチームが成功を収めるとは限らないと忠告し、「技術や戦略面では欧州選手権のレベルは高いが、まだエリート級とは言えない」と厳しいコメントも載せた。

 さらに、ドイツ語圏の日曜新聞「ゾンタークスブリック(Sonntags Blick)」はU-21スイス代表の多くが移民である点に着目。「多文化で育った選手たちは、スイス人によくある控え目な態度など意識せず、自分たちの目標に向かって野心を抱いている。ただ勝ちたいだけだ。いつでも、どこでも…。優勝は逃したが、それが重要ではない。U-21の選手たちがナショナルチームとしてオリンピックで活躍することを望む」とコメントした。

強敵と肩を並べる

 ドイツ語圏の日曜新聞「ゾンタークス・ツァイトゥング(SonntagsZeitung)」もU-21スイス代表の功労を称えている。「決勝でスペインに勝てなかったのは恥だが、一番悔しい思いをしているのは選手たちだ。優勝にはあと一歩だったが、負けを恥じる必要はない。スイスは、数々のサッカー大国と肩を並べて試合ができると分かったのだから」

 フランス語圏の日曜紙「ル・マタン・ディマンシュ(Le Matin Dimanche)」は、スペインがかなりの強敵だったことを強調。「スイスは決勝まで4戦4勝、無失点だった。スペインとぶつかるまで、勝利の味を満喫していたスイスだったが、やはりスペインは一枚上だった。スペインというはるかに強いチームと勝負することを、決勝に行くまでスイスは忘れていたのだ」

 スイスは、過去9年間で決勝に進出したのは今回で3回目(2002年U-17欧州選手権、2009年U-19世界選手権、今回のU-21欧州選手権)。同紙は「スイスは2002年と2009年では優勝しているが、今回は世界で一番強いチームに負けてしまった」とコメントしている。

スイス代表は決勝まで4戦4勝、無失点だった。

6月11日、対デンマーク(1-0)

14日、対アイスランド(2-0)

18日、対ベラルーシ(3-0)

22日、対チェコ(1-0)

25日、対スペイン(0-2)

(英語からの翻訳・編集、鹿島田芙美)

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