サッカーW杯 スイスチームの対戦相手はいかに

今年ドイツでサッカーW杯の3大会ぶりの出場を果たすスイス。スイス勢はあまり、知らない相手である2チームと対戦することになる。
スイスチームは、まずは6月13日シュツットガルトにて対フランス戦で開幕し、その後、19日にトーゴ、23日に韓国を相手の対戦となる。
このGグループの驚きの要因は今回、初出場を果たしたアフリカのトーゴだ。「タカ」とあだ名を持つトーゴチームはドイツ人のオットー・フィスター監督が率いてドイツにやって来る。同監督はトーゴをW杯に生き残らせることができたものの、アフリカネーションズカップ(2006年1月)の際は負けてしまったという経歴がある。
アフリカの期待の星、トーゴ
注目はトーゴのナショナルチームのメンバー。そのうち2人は現在、スイスで活躍している選手だ。ヤオ・セナヤはチャレンジリーグの「YFジュヴェントゥス」に、カカ・アジアウォヌはスーパーリーグの「BSCヤングボーイズ」に所属している。しかし、トーゴの最大の武器は何といっても英のアルセナールに今年から契約した風変わりな選手、エマヌエル・アデバヨルだろう。
W杯の初出場のトーゴチームは利点として、プレッシャーなく試合に取り組むことができるだろう。スイスチームは1990年にカメルーンが強敵アルゼンチンを破ったことや2002年にセネガルが(1998年に優勝した)フランスに勝ったことを記憶に新しくし、優越感を取り払わって試合に臨まなければならない。
スイスのディフェンス、ルドヴィック・マニャン選手は「アデバヨルは強力な選手だということを証明しているので、彼に気をつけなければなりません。最高のプレイをしてトーゴを破らなければ」と話している。同選手は「アフリカネーションズカップの際はトーゴの本当の力量で戦わなかった。現在はもっと強いので、過小評価をしてはならない」と慎重だ。
アジア勢にも注意
スイスの第3の敵、韓国もスイスにとっては未知のチームであり、真剣なチャレンジでもある。今回のドイツのW杯では7回目、6回連続の出場である。2002年に韓国チームはイタリア、スペインにポルトガルの3チームを破って準決勝に進み、世界を驚かせたことは記憶に新しい。
しかし、当時は日本と共同開催国であった韓国チームが母国で戦ったことは大きく、今回はW杯に残るのに2敗に3戦が引き分けというやっとの出場となった。
韓国チームは2005年8月からオランダ人のディック・アドフォカート(オランダチームを1994年に率いた)監督が率いており、韓国の武器は才能のある攻撃陣のパク・チソンやイ・ドングゥらに懸かっている。前出のマニャン選手は「韓国は前回のW杯で準決勝戦にまで行けるという可能性を示した。彼らとの決戦は真のテストになる。しかし、中国との親善試合でアジアサッカーというのはどういうものかという教訓を得た」と語る。
最初は強敵フランス
最後に、ドイツでのスイスの最初の敵であるフランスチームはスイスにとって知り尽くしている相手と言える。去年の予選試合で2戦の引き分け試合をしてきたスイスにとって、元チャンピオンのフランスはもはや怖いものではないことを示している。
しかし、フランスのティエリ・アンリ、ジネディーヌ・ジダン、ダビド・トレゼゲやリリアン・テュラムといったスター選手たちには気をつけなければならない。「フランス戦は楽しい試合になるわけではありませんが、過去の経験からこの強敵に上手く対抗し、彼らの障害になることができましたから」とマニャン選手は見る。
スイスチームには難しい戦いが待っている。しかし、生き残る最後の2チームになる実力とランクがあることを感じているだろう。
swissinfo、 マッシュー・フォアドヴォー、屋山明乃(ややまあけの)意訳
- スイスは親善試合ではコート・ジボワール、中国とイタリアと戦った。
- スイスはこれまでに7回W杯に出場した(1934年、1938年、1950年、1954年、1962年、1966年、1994年)。
- フランスはこれまでに11回、世界選手権に出場した(1930年、1934年、1938年、1954年、1958年、1966年、1978年、1982年、1986年、1998年と2002年)。
- 韓国はこれまでに6回、世界選手権に出場(1954年、1986年、1990年、1994年、1998年と2002年)
- トーゴは今回が初出場。8強のセネガルを破ってのW杯初出場で驚かせた。
- スイスチームの平均年齢は24.8歳。最年少は19歳の選手だ。

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