スイスでは賃貸物件に住む人は人口の約6割と多く、欧州でもトップクラスだ。賃貸物件でトラブルが起きたらどうすればいいのか?スイスの賃貸法(日本の借地借家法に相当)上のルールを解説する。
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Q1.家主からの賃貸契約解除・立ち退き要請は拒否できますか?
できます。借主は賃貸契約の解約を拒否し、調停機関に契約の延長を申請できます。これは、家主が自分で住むために解約を申し出ている場合にも可能です。借主は延長申請の際に、解約によって特に大きな打撃を受けること、あるいは明け渡し期限までに他の居住地を見つけることが困難または不可能であることを証明できなければなりません。
Q2.お隣さんの騒音にはどう対処すればいいですか?
賃貸アパートか分譲マンションかを問わず、居住者はお互いに配慮が必要です。過度に迷惑にならない程度であれば大抵のことは許されます。どこからが「騒音」なのかの線引きはあいまいです。建物は古いのか、それとも新しいのか?あるいは、どの部屋での騒音を控えた方が良いのか?などを考慮し、お互いに歩み寄る努力をします。それでも友好的な解決策が見つからない場合は、裁判を起こすことが唯一の選択肢となります。
Q3.家主が合い鍵を預かることはできますか?
できません。たとえ借主が長期不在であってもできません。多くの大家さんが要求しますが、鍵を預ける義務はありません。
Q4.留守を頼んだお隣さんが損害を起こしたら?
旅行で不在の間、誰かがあなたの家の面倒を見てくれるのはありがたいことです。ただその際に、花瓶が割れてしまったり、高価なカーペットが汚れてしまったりといった問題が発生することも。法律では、こういった「好意」の隣人を保護しています。好意から互恵的な権利や義務が派生することはなく、したがって賠償請求もできません。
Q5.水のトラブルが発生した場合、家賃の減額を要求できますか?
できます。不具合が直るまで、家賃の減額を家主に求めることができます。瑕疵(かし)の内容は書面で報告するのが理想的です。家主から返答がない場合、調停機関で手続きをとることができます。
Q6.たばこの副流煙で困っている場合は、どういった対処の仕方がありますか?
まず対話を求めるのが一番です。同じ建物の他の入居者と一緒に話をするのもいいかもしれません。被害がひどい場合は、家主が対応しなければなりません。それでも何も変わらない場合は、家賃の減額を請求するのも一つの手です。
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Q7.賃貸物件の不具合は誰が責任を負うのですか?
借主は、通常損耗については責任を負いません。これには壁の小さな穴、絵画の設置跡、ペンキの色あせなどが含まれます。借主は浴槽の穴やフローリングの水垢、たばこのヤニ汚れなど、特別損耗に対してのみ義務を負います。
Q8.隣の家の猫を水鉄砲で追い払ってもいいですか?
はい。猫を脅かしたり居心地を悪くさせたりする程度のものであれば、大抵は問題ありません。ただ、痛めつけたり過度の恐怖を与えたりしてはいけません。猫にけがをさせたり、殺したりした場合は告訴されます。猫を追い払う道具としては、コーヒーの抽出かす、こしょう、サンザシの茂み、水鉄砲、超音波装置、電気柵などが有効です。
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独語からの翻訳:大野瑠衣子、校正:ムートゥ朋子
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