スイス相撲「シュヴィンゲン」の、おがくずを敷き詰めたリングでは、「異議あり」は通用しない。投げ倒され、背中が地面に付いた方が負けだ。優勝者は高々とかつがれて祝福され、賞品の花輪や雄牛を受け取る。スイスでとても人気があり、伝統的なスポーツでもあるこの相撲には、外国人の出場も認められている。
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2002年にswissinfo.ch入社。ドイツとブラジルにルーツを持つ。リオデジャネイロ生まれ。ブラジリアと独シュツットガルトでジャーナリズムと情報学を修める。
1965年スイス生まれ。チューリヒで写真を学んだ後、1989年からフォトジャーナリストとして活動。1990年、スイス人カメラマンの代理店Lookat Photosを設立。世界報道写真財団(オランダ)の世界報道写真コンテストを2度受賞したほか、スイスの奨学金を多数獲得。その作品は多くの展覧会やコレクションで紹介されている。
ティアゴ・マルケス・ヴィエイラさんは、先週末の6月14、15日に行われたスイス相撲大会に出場した。見た目はスイス人選手となんら変わりはない。
23歳のヴィエイラさんは、身長190センチ、体重140キロの巨漢だ。ドイツ語圏の方言を話し、この人気スポーツの伝統を忠実に守る。試合に勝てば、相手選手の両肩からおがくずを払い、馬の水飲み場で顔を洗う。リングの上では、誰もが平等だ。勝敗を分けるのは単なる力の強さではなく、さまざまなテクニックを、いかに巧みに用いることができるかにかかっている。
ヴィエイラさんがほかの選手と違ったところがあるとすれば、それはスイス国籍を持たないことだ。スイス相撲で高いレベルにまで進んだ、数少ない外国人選手の1人だ。ポルトガル人の両親のもとに生まれ、10年前にスイス相撲を始めた。これまでに、地域大会で7回優勝し、全国大会でも良い成績を収めた。今、ヴィエイラさんの夢は「スイス相撲の王者」、つまりスイスチャンピオンになることだ。
(写真・Thomas Kern, swissinfo.ch、文・Alexander Thoele, swissinfo.ch)
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(文:アルブレヒト・フォン・ハラー詩集『Die Alpen(高原の牧草地)』1729年写真:全国シュヴィンゲン・アルプス祭、2007年8月25/26日、アーラウ市(Aarau )にて、トーマス・ケルン)
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