スイス、ティチーノの秋
秋といえば「食の秋」、また「読書の秋」とよく言いますが、食いしん坊の私にはやはり「食の秋」(笑)。9月中旬からティチーノの各地でも秋の食フェアーをやっています。
秋の食材というと、きのこ(フンギ/funghi)、野生のノロ鹿、猪、野うさぎ、雉などの狩猟肉(セルヴァッジーナ/selvaggina)、そしてとうもろこしの粉から作るポレンタ/polenta。これに栗やワインをソースに合わせ、地ワインと一緒に楽しみます。
私の好きな秋のデザートはヴェルミチェッリ/vermicelliという、日本でいうモンブランによく似ているもの。さくさくしたメレンゲの上に栗のムースと生クリームをかけていただきます。肉料理の後にいただくにはかなりボリュームがありますが、秋から冬限定のこのデザートは、甘党でない私でも食べたくなります。
今は各地で秋の収穫祭や、食フェアーが行われており、スイス特有の衣装をまとった地元のコーラスサークルの人たちがアコーディオンの伴奏と共に歌を歌ったりと、1年のうちでも一番スイスらしさを感じる季節です。
また9月から11月までは山歩きに適した季節でもあるので、毎年栗拾い、紅葉見物、そして落ち葉の上の散策?を楽しみに行きます。
ティチーノには登山電車やゴンドラが各地にあるため、山の急勾配をらくらく登り、山頂付近を散策することができます。標高が1000mから2000m級の山でのお散歩なので、長袖のフリースや雨具などを持って、急な天候の変化にも備えます。そろそろ栗もたわわになってきたころなので、栗拾いを兼ねた山歩きの計画を立てなくては!
またことしはスイスでも猛暑だったため、ティチーノでは例年より約2週間も早くワイン用のぶどうの収穫が始まりました。
夏は雨も降り、収穫前に晴天が続いたため、ぶどうの糖度も高くいつもよりおいしいワインが造れそうだと、テレビのインタビューで地元のワイン生産者がうれしそうに語っていました。
スイスワインは生産量が少ない上、価格が高いため、なかなか日本では見かけられませんが、スイス、特にティチーノに来られる際には、地元のメルローもぜひ試してみてください。
メルローというと赤ワインが主流ですが、ここでは世界でもめずらしくメルロー100%の白ワインもあります。実は私もこのメルローの白ワインの虜になり、スイスに移住したようなものなので、ぜひ皆さんにも試していただきたいです。
ナヴァーラ美穂子
スイス・イタリア語圏、ルガーノに住んでいます、美穂子です。
2004年夏に仕事の関係で移住し、あっという間に7年が経ちました。7年間に4都市(チューリヒ、ベリンツォーナ、メンドリージオ、ルガーノ)に住み、2年前からルガーノに落ち着きました。
趣味は”食べ&飲み”、食いしん坊で自然が大好きな、元?!江戸っ子、現!!ルガネーゼ(伊語でルガーノ人)です。
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