スイスのモトクロス バイクと舞い上がる埃
スイスのオールドタイマー・モトクロスクラブ(OMC)は、ビンテージバイクとモトクロススポーツをこよなく愛する人のための存在だ。OMC創立20周年を機に、チューリヒの写真家であるルーカス・メーダーさんはモトクロスバイクとその愛好者たちにフォーカスをあてた。
レトロなマシン、ガタガタと振動するエンジン、ジャンプ、深く切り込んだコーナリング ― クラシックバイクで走るモトクロスの世界だ。ここで繰り広げられる世界は、モトクロススポーツが始まった当初から、バイクへの情熱を絶やさず持ち続けている人たちの心を固く一つにする。
OMC外部リンクは規模こそ小さいが、コミュニティーは確固たるものだ。メンバーが集まる場所はザンクト・ガレン州のオーベルリートやアールガウ州のヴォーレン。またヨーロッパ全土で再びブームに火がついたことから、国外で集まることもある。
舞い上がる埃
スイスで開催されるモトクロス選手権は年に10回ほどだ。レースのカテゴリーはバイクの製造年で分けられ、例えばカテゴリー「Pre 68」の場合、1968年末までに製造されたバイクに乗るライダーがエントリーする。またランク付けのポイントにはライダーの年齢とバイクの製造年も追加点として加算される。
モトクロスの歴史は、20世紀初頭にさかのぼる。英国のライダーたちによる世界初のタイムトライアルイベントを起源に、今日ではラフなコースでスピード競うモトクロススポーツへと進化した。1930年代にスポーツとして知られるようになり、50年代にはヨーロッパを中心に世界を転戦するモトクロス世界選手権が初めて開催された。
白黒写真へのオマージュ
チューリヒの写真家、ルーカス・メーダーさん外部リンクも、OMCのメンバーだ。レトロなモトクロスバイク愛好家の一人として、これまで数え切れない瞬間をカメラで切り取り、スイスの知られざる側面を記録してきた。
メーダーさんは過去に、ニュース誌のタイム外部リンクやローリングストーン誌外部リンクで写真家として世界的に一躍有名になった。最新の写真集「Dancing in the Dust外部リンク」にはレースやバイクの白黒写真だけでなく、魅力あふれるライダーたちのポートレートも収録している。
(独語からの翻訳・大野瑠衣子)
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