ボクシングの王者モハメド・アリも見た、チューリヒのボクシング界
パリでボクシングがブームとなった20世紀初頭、ボクシング界ではスイスの前世界チャンピオン、フランク・エルネが最前線で活躍していた。数年後にはスイス・チューリヒにもボクシング・フィーバーが到来。当時のスイスのボクシング界の様子を、映画製作者トーマス・ホラートさん外部リンク個人所有のコレクションから紹介する。
チューリヒに到来したボクシング・フィーバーは、瞬く間にスイス西部にも広がった。ジュネーブとローザンヌにスイス初のボクシングクラブが設立され、1909年にはスイス国内で初の選手権が開かれた。スイスボクシング協会が結成されたのは、同選手権が開催された4年後の1913年だ。報道によれば、同年2月にジュネーブとベルンの関係者が集まり結成された。
最終的にスイスでボクシングが根付いたのは、チューリヒのとりわけ労働者階級の間だった。チューリヒで最初のボクシングクラブ「Boxclub Sportring Zürich外部リンク」が設立されたのは1919年。1934年にはそれに対立する地元クラブ「Box Club Zürich (BCZ)外部リンク」が設立され、30年代半ばには最も有名なクラブとして名を馳せた。
1971年にはモハメド・アリ対ユルゲン・ブリンのマッチがチューリヒで行われた。アリはトレーニングの合間にファンと交流したり、靴を新調したりするなどチューリヒを満喫した。
当初は労働者のボクシングクラブだったBCZだが、今日では全ての人に開かれており、現在の所属メンバーは400人以上に上る。
(英語からの翻訳・説田英香)
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