マダニがスイス全土で増加したことを受け、政府はマダニが媒介する病気の一つであるダニ媒介性脳炎の予防接種を受けるようスイス国民全員に促している。予防接種費用は基礎医療保険会社が負担する。
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ダニ媒介性脳炎の報告例は2017年の100件から18年は380件に急増した。予防接種はこれまで特定の地域でのみ推奨されていたが、症例増加を受けて推奨地域を全国に拡大した。
政府の情報プラットフォームch.ch外部リンクによれば、スイスで最も広く知られているダニの種類はアメリカイヌカクマダニだ。草が生い茂った落葉樹林、森のはずれや小道を好む。草むらなどに潜んで草に接触する人や動物に飛び移るチャンスを虎視眈々と狙っている。よくある誤解だが、ダニは木から落ちてくることはない。
万が一マダニに噛まれた場合、ピンセットを使ってマダニを完全に取り除く必要がある。マダニの体の一部が36~48時間以上皮膚下に残ってしまった場合、そこから病原体が体内に侵入し、ライム病に感染する恐れがあるためだ。
ライム病の増加
ライム病(ライムボレリア症)もダニが媒介する感染症の一つ。感染後、直ちに抗生物質で治療を受けた人の大半は予後が良いが、治療が遅れると細菌は中枢神経系、筋肉、関節、目、そして心臓に移動する恐れがある。この病気の予防接種はできない。
スイス・マダニ感染症連盟外部リンクはダニに噛まれないように、①茂みや背の高い草むらを避ける、②腕、脚、足を覆う服を着る、③戸外で過ごした後はダニやダニの幼虫が体に付着していないか注意深くチェックするよう勧めている。
(英語からの翻訳・シュミット一恵)
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スイスでは今春、マダニが例年以上に発生している。外出のとき注意すべき場所や、スイスで旅行中、マダニから身を守るための対策をまとめた。
例年よりマダニが多いのは何故?
「冬の寒さが厳しかったせいで、今年の春は例年以上にマダニが発生している」とスイス・マダニ感染症連盟のノルベルト・シュッツ医師は言う。「12月と1月に地面が凍結していたため、マダニは休眠状態から目覚めて春に活動するためのエネルギーをその間に温存できた」のが原因だ。
マダニに噛まれると何が問題?
マダニは3月から11月が活動のピークだ。マダニに噛まれると、やっかいな事になりかねない。皮膚にマダニがついているのを見つけた場合、まず反射的に手で取り除こうとするのが普通だろう。だが、マダニはピンセットを使って完全に取り除かなくてはいけない事はあまり知られていない。手で無理やり引っ張るのは危険だ。もしマダニの体の一部が36~48時間以上皮膚下に残ってしまった場合、そこから病原体が体内に侵入し、ライム病に感染する恐れがあるためだ。ダニ媒介性脳炎やその他の病気にかかる危険性もある。
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