ロマン・グロジャン選手 ルノーF1チームに抜擢
スペインのバレンシアで今週末スタートするF1のヨーロッパGPのルノーチームに、23歳のジュネーブ出身のロマン・グロジャン選手が抜擢された。
セバスチャン・ブエミ選手と並んで2人のスイス人が参加するF1レースは、スイスにとって30年来の快挙。しかもグロジャン選手はダブルワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソ選手とチームを組むという栄誉に預かった。
ダブルワールドチャンピオンの横で
「ルノーF1チームが僕を信頼してくれたことは、非常な名誉。しかもダブルワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソ選手とチームを組めるという幸運に恵まれ、闘志がますます湧いてくる」
とグロジャン選手は喜びを語った。
ルノーF1チームのディレクター、ブリアトーレ氏も、
「彼は若い才能溢れる選手。フェルナンドの横でその優れた才能とテクニックを十分に発揮してもらいたい。特にシーズンの後半、ルノーはかなり攻撃的な戦いを繰り広げていかなければならないので」
と激励した。
グロジャン選手は今シーズンすでにルノーF1チームの第3レーサーの地位を獲得してすべてのレースに参加して経験を積み、「チームにすっかり溶け込んでくれていた」と、ルノー側は評価する。
エンジニアスタッフとの関係に期待
今回グロジャン選手は、ブラジルのネルソン・ピケ・ジュニア選手の代わりとして抜擢された。ピケ選手はシーズン最初の10回のレースで得点を上げることができず、2週間前にチームリーダー、フラビオ・ブリアトーレ氏を公に非難した。ルノー側は、
「お互いの利益になるとして、ピケ選手はチームから脱退することを直ちに承諾した」
とコメントしている。
ところで、グロジャン選手はジュネーブ生まれのスイス人だ。しかし母親がフランス人のため、フランス国籍も所有しており、2006年にルノーが主催した若いレーサー養成プログラムに参加し腕を磨いてきた。
「2008年にチームの最初のテストを受けた。お陰でテストチームのスタッフと良い関係が築けた」
と語り、
「今回はエンジニアスタッフとの関係を強く結べる機会だ。さらにチームがどのように団結して機能するかを学ぶこともできる」
と期待に胸を膨らませる。
一方、もう1人のスイス人F1レーサー、セバスチャン・ブエミ選手もスクーデリア・トロロッソからF1デビューが決定している。
swissinfo.ch、外電
2004~2005年、フランスとヨーロッパフォーミュラ・ルノー・チャンピオンシップに参加。2004年には、フランスのチャンピオンシップで1回の優勝、3回の表彰台で、新人第2位。2005年には、10回のタイトル獲得。
2006~2007年、F3に参加。イギリスのF3チャンピオンシップで2回の優勝を飾り13位。
2007年、ASMで6回の優勝、6回の表彰台、4回のポールポジションをマーク。
2008年、GP2アジアシリーズ、GP2シリーズのGP2キャンペーンで、ルノーF1チームのテストドライバーとして活躍。ARTグランプリのアジアシリーズで優勝。
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