健康な高齢女性に致死薬を処方し、自殺をほう助したとして医療製品法(連邦法)違反に問われた自殺ほう助団体の元副代表に対する差し戻し審で、地裁は違法性は認められなかったとして無罪判決を言い渡した。
このコンテンツが公開されたのは、
罪に問われたのはフランス語圏にある自殺ほう助団体エグジット・スイス・ロマンドの元副代表で元医師のピエール・ベック氏。同氏は、病気の夫と一緒に死にたいと言う女性(86)の求めに応じ、致死量の鎮静催眠薬ペントバルビタールを処方した。薬物は女性本人が服用した。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスで安楽死した日本人が最期に伝えたかったこと
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで今夏、1人の日本人男性が自殺ほう助でこの世を去った。身体の運動機能が衰える神経難病に侵された彼が、どんな思いで9千キロメートル離れたこの地に降り立ち、命の灯を自ら吹き消したのか。
もっと読む スイスで安楽死した日本人が最期に伝えたかったこと
ジュネーブ州の地裁は2019年、医薬品に関する連邦法違反で、ベック氏に120日の執行猶予付き禁錮刑を言い渡した。だがその2年後、最高裁にあたる連邦裁判所が地裁判決を却下し、事件を差し戻していた。
地裁は20日の判決で、ベック氏が女性にペントバルビタールを処方した際、犯罪行為はなかったと結論づけた。
仏語圏のスイス公共放送(RTS)が入手した判決文には、「健康状態が良く、判断能力があり、死を望んでいる人に医師がペントバルビタールを処方したという事実だけでは、医療製品法違反で罰せられる行為にはならない」と書かれていた。
検察側は判決から30日以内であれば控訴が可能。ただRTSによると、控訴するかは未定。
英語からの翻訳:宇田薫
おすすめの記事
スイスで自殺ほう助がタブーではない理由
スイスでは、国外在住者の自殺ほう助を受け入れる団体があり、外国人が自死を求めてスイスに来る「自殺ツーリズム」につながっている。
もっと読む スイスで自殺ほう助がタブーではない理由
おすすめの記事
ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)は10日、電気を使わない除湿器を開発したと発表した。壁や天井の建築材として、空気中の湿気を吸収し一時的に蓄えることができる。
もっと読む ETHチューリヒ、気候に優しい除湿機を開発
おすすめの記事
スイスでX離れ進む
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。
もっと読む スイスでX離れ進む
おすすめの記事
スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究者たちが、キノコで発電する電池を開発した。農業や環境研究に使われるセンサーに電力を供給できるという。
もっと読む スイスの研究者、キノコで発電する電池を開発
おすすめの記事
ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
このコンテンツが公開されたのは、
米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、スイスでの人員削減を計画している。
もっと読む ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスでの人員削減を計画
おすすめの記事
「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。
もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
おすすめの記事
スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
このコンテンツが公開されたのは、
スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。
もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
おすすめの記事
ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
このコンテンツが公開されたのは、
ユングフラウ鉄道グループは、ユングフラウヨッホの2024年の来場者が105万8600人となり、2015年以来6度目の100万人の大台を超えたと発表した。
もっと読む ユングフラウヨッホ、2024年の来場者が100万人を突破
おすすめの記事
2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは2024年の企業倒産件数が過去最高を記録した。
もっと読む 2024年のスイスの企業倒産件数、過去最高に
おすすめの記事
国民投票に向けた署名がまたも偽造
このコンテンツが公開されたのは、
医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。
もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
おすすめの記事
スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
このコンテンツが公開されたのは、
1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。
もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト
続きを読む
おすすめの記事
後追い自殺ほう助した医師に有罪判決
このコンテンツが公開されたのは、
ジュネーブの裁判所は17日、健康な高齢女性が夫の後を追って自殺するのを手助けしたとして、フランス語圏の自殺ほう助団体の副代表で医師のピエール・ベック氏(74)に執行猶予付きの有罪判決を下した。
もっと読む 後追い自殺ほう助した医師に有罪判決
おすすめの記事
家族ともう少しだけ 安楽死を思いとどまった日本人
このコンテンツが公開されたのは、
この夏、もう一人の日本人が安楽死を求めてスイスにやってきた。6歳から神経難病に苦しんできたくらんけさん(30、仮名)だ。だが最後の瞬間、自死を踏みとどまった。
もっと読む 家族ともう少しだけ 安楽死を思いとどまった日本人
おすすめの記事
年間1500人超が選択 スイスの安楽死
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは安楽死を求め自殺ほう助団体に登録する人が増えている。国内には外国人を受け入れる団体もあるが、自殺ほう助を受けるには厳しい条件をクリアしなければならない。
もっと読む 年間1500人超が選択 スイスの安楽死
おすすめの記事
スイスの安楽死支える「死の付添人」
このコンテンツが公開されたのは、
スイスには「自殺付添人」という仕事がある。安楽死する患者の元に致死薬を届け、最期の日を迎えるまで患者本人や家族に寄り添う。スイス最大の自殺ほう助団体エグジットでは、退職世代がその役割を担う。
もっと読む スイスの安楽死支える「死の付添人」
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。