ハンドルを回すと針金の魚が泳ぎ、鋼のカニが踊りだす。スイスの金細工職人、ロジャー・ヴェーバーさんの想像力は尽きることがない。大人も子供も虜にするヴェーバーさんの作品はどのように生み出されるのか?スイス北部ニーダーレンツ村の工房を覗いてみよう。
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ヴェーバーさんが自然やあらゆる機械にのめり込んだのは少年時代、立体模型をデザインしたり漫画を描いたりし始めた頃に遡る。土から這い出してくる色々な生き物を追いかけた経験は、今もヴェーバーさんの創作活動にヒントを与えている。数年をかけて職人としての腕を磨き、今デザインする模型の多くは生き物のように動く。
ハンドルやモーターで動く模型を作るアイデアは、スイス北部ニーダーレンツ村にあるヴェーバーさんの工房でひらめいた。工房には職人が想像を現実にするために必要な道具がびっしりと並ぶ。制作には時に長い月日を要する。独特の作品は博物館や展覧会、商店のショーウィンドーや演劇場に飾られる。
ヴェーバーさんの作品群「ロッチ・オ・マットRotch-o-mat外部リンク」は今年、スイスのジュメル賞外部リンクにノミネートされた。この賞は手作業や古典的な道具を使って現代的な作品を作る職人を表彰する。
(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)
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