スイスの王道、マッターホルン(ヴォー/ヴァレー州)。「山歩き、特にマッターホルンを見ながら。空気がきれい、眺めが良い」(ティチーノ州、在住歴17年)、「マッターホルンを眺めるホテルがお勧め」(ソロトゥルン州、在住歴1年)。フルーアルプには子供の遊び場も(Keystone)
Keystone
「日本から来た家族とアレッチ氷河をハイキング。最高の景色でした!」(アールガウ州、在住歴16年)(Keystone)
Keystone
世界遺産に登録されているエッシネン湖(ベルン州)。「ここで涼むのが好きです。山中ですが、幼児からお年寄りまで誰でも楽しむことができ、ロープウェーや電気バスで足の不自由な方でも行くことができます」(ジュネーブ州、在住歴19年)(swissinfo.ch)
swissinfo.ch
ティチーノ州の在住歴7年の日本人が勧めるモンテ・ジェネローゾ。山頂に建てられたマリオ・ボッタ氏の作品「Fiore di pietra(石の花)」でも有名(Keystone)
Keystone
ティチーノ在住者のお勧めその2、モンテ・ブレ山から望むルガノ湖(Keystone)
Keystone
ティチーノ在住者のお勧めその3、カパンナ・モンテ・バル。2017年5月に開業した展望台(標高1600メートル)(Keystone)
Keystone
グラウビュンデン州にあるスイス唯一の国立公園。ティチーノ州に住む金谷有希子さん(在住暦17年)は公園内にあるホテル Parc Naziunal Il Fuornに3泊した。「もっと長く滞在しても良いと思います」(Keystone)
© KEYSTONE / GAETAN BALLY
ティチーノ州マッジア谷。「観光向けの土産屋などほとんどなく、自然そのものを満喫できる」(ティチーノ州、在住歴4年)(Keystone)
© KEYSTONE / TI-PRESS / SAMUEL GOLAY
ベルン州ラウターブルンネン。「さまざまな滝がたくさんあって、夏には涼しげだし、アルプスの山々も見られる」(ベルン州、在住歴5年)(Keystone)
Keystone
チューリヒのストリートパレード。「町全体がお祭りムードで楽しい」(ベルン州、在住歴10年)。2018年は8月11日開催(Keystone)
KEYSTONE/Ennio Leanza
「ゴムボートでビールを飲みながらアーレ川を下る。途中、泳いだりバーベキューをしたりします。景色が最高の贅沢な遊びです」(ベルン州、在住歴3年)(Keystone)
KEYSTONE / ANTHONY ANEX
「Aaresack(アーレサック)を浮き輪代わりにして泳ぐのはお勧め」(ベルン州、在住歴15年)。写真右の女性が手にしているのがアーレサック。防水で、脱いだ服や持ち物を入れられる(Keystone)
© KEYSTONE / ANTHONY ANEX
バーゼル在住者が勧めるのは「ライン川遊泳」。8月には住民がいっせいに泳ぐ大会「バズラー・ラインシュヴィメン」も。2018年は14日開催(Keystone)
© KEYSTONE / GEORGIOS KEFALAS
「スイスのモルディブ」と謳われるティチーノ州ヴェルザスカ渓谷。「素敵すぎました」(ベルン州、在住歴3年)「とにかくめちゃめちゃキレイ!橋からダイブ!」(同、17年)(Keystone)
Ti-Press
在住歴19年のヴォー州在住者のお勧めその1、ティチーノ州アスコーナ。「湖畔のホテルに泊まり、湖と山を眺めながらテラスでとる朝食は最高でした」(Keystone)
Keystone
ヴォー州在住者のお勧めその2、同州レザン。「夏のレザンは静かで、ハイキングやピクニックが楽しめて、町のプールも使えて楽しかったです」。写真はトゥール・ダイ山(2331メートル)から望むレマン湖(Keystone)
© KEYSTONE / ANTHONY ANEX
在住歴20年のヴォー州在住者のお勧めその1、レマン湖畔での水遊びとバーベキュー。「夜10時くらいまで明るいし、蚊もいないし、大人数でも楽しく過ごせる」。写真のような野外バーベキュー台が無料で使える(Keystone)
© KEYSTONE / SALVATORE DI NOLFI
ヴォー州在住者のお勧めその2、サン・レオナール地底湖。「ひんやり涼しい&暗闇の青が神秘的で素敵」(Keystone)
© KEYSTONE / OLIVIER MAIRE
ヴォー州ニヨンで開かれるスイス最大の野外フェスティバル「パレオフェスティバル」。「音楽が好きな人には野外でのコンサート最高です(天気が良ければ)」(ヴォー州、在住歴19年)。2018年は7月17~22日開催(Keystone)
© KEYSTONE / ANTHONY ANEX
レマン湖(写真)やトゥーン湖のクルーズも人気。「ゆったりな時間でリラックスできる」(ヴォー州、在住歴22年)(Keystone)
© KEYSTONE/ VALENTIN FLAURAUD
いよいよ夏休み。山や川、湖といったスイスの自然も輝きを増し、世界中から夏を過ごしに観光客がやってくる。スイスに住む日本人はどのような夏休みを過ごすのか?
このコンテンツが公開されたのは、
2016年からスイス在住。17年にswissinfo.ch入社。日本経済新聞社で8年間記者を務めた。関心テーマは経済、財政、金融政策、金融市場。
スイスインフォ日本語編集部は、読者や編集部員の人脈にアンケートを実施。81人から回答を得た。2018年の7~8月に取る夏休みの長さを聞くと、最も多いのは「1週間以上2週間未満」の22人。年末年始に日本に帰省するのを想定してか、スイス人が平均2週間取るのに比べると短めだ。
滞在先は、スイス国内に留まる人は「夏休み」をとらない人も含め32人。日本に帰省する人は19人と、暑い日本の夏を避けてかやや少なめ。スペインやイタリア、南仏など欧州のリゾート地にアクセスしやすいだけに、日本以外の国外に出る人も30人と多い。
32人はスイスでどんな夏を過ごすのか。スイス国内を旅行する人は14人。行き先はばらつくが、ツェルマット・マッターホルンに向かう人が3家族と最多。うち2家族は5週間の夏休み。同地は日本からの旅行者にも人気だが、スイス在住者は長めの滞在を楽しむ。
その他はグラウビュンデン地方やベルナーオーバーラント、エメンタール地方と行き先は分かれた。行き先を決めた理由もリピーターが4人、口コミが5人、インターネットの旅行サイトが3人と様々だった。
スイスの旅行で悩ましいのは予算だ。特にツェルマットなど人気の高い観光地はホテル代が高め。この夏ツェルマットに5週間滞在するジュネーブ在住の夫婦は、交通費や宿泊費で合計3千フラン(約33万6千円、食費は別)かかる。
おすすめの記事
おすすめの記事
物価高の国、スイス 旅費を安く上げるには?
このコンテンツが公開されたのは、
世界で最も物価の高い国の一つ、スイス。そんなスイスを低予算で旅行するには?
もっと読む 物価高の国、スイス 旅費を安く上げるには?
節約術を聞くと、多かったのは「お弁当を持っていく」ことだ。スーパーでパンやチーズ、フルーツを購入し自分で挟めば簡単で安上がり。ごくシンプルなサンドイッチや旬のフルーツがあれば、ハイキングでは澄んだ空気と絶景が最高の調味料になる。
交通費の節約には「スイス連邦鉄道のデイ・パスを利用する」手もある。1日75フランでスイス全国の鉄道やバス、船、一部の登山鉄道が乗り放題になる。居住者向けの半額カード(Half-Fare travelcard)を持っていることが条件だ。スイス国外からの旅行者向けには、有効期間が3~15日のスイストラベルパス外部リンクがある。
宿泊費を抑えるのはやや難しいが、「ミグロやコープなどスーパーの特売パック旅行からホテルを選ぶ」(ベルン州、在住歴18年)、「ホテルではなくキャンプ場を使う」(チューリヒ州、在住歴4年)といったアイデアも寄せられた。
特に旅行に出ない人も自然を楽しむ人が多い。海のないスイスだが、「湖畔を散歩・湖水浴」「山や川に行ったり、グリルを楽しむ」「地元のプールに通う」と水遊びには事欠かない。
自然派が多数を占める中、夏休みが1週間未満というバーゼル・ラント準州在住者(在住歴3年)は、「プレイステーション4」三昧だ。「ヨーロッパサーバーでのオンライン対戦や協力プレイでは、ヨーロッパ人と時差なくプレイでき、日本とは異なる独特の文化を楽しめる」
王道のハイキング
そんなスイス在住者らのお勧めの夏休みの過ごし方は?これまでに行ってよかった場所・やってよかったアクティビティを尋ねると、ダントツ人気は山のハイキング。優に23票が集まった。どの山でも「山岳地帯は気候が涼しく、トレッキング環境も整備されていて、のんびりしたい人ならどの世代でも楽しめる」(ヴォー州、在住歴12年)。そのなかでも在住者の隠れたお勧めはスイス南部のイタリア語圏、ティチーノ州だ。在住歴8年のチューリヒ在住者は「スイスの夏は意外と気温が高いが、山岳部は涼しく、なんといっても『ザ・スイス』な景色が素晴らしい」と語る。山小屋に泊まり、相部屋になった登山愛好家と話すのも楽しいと言う。
黄色い標識を辿れば地図をいちいち見なくても歩けるほどハイキングコースは整備されている。だが山岳コースを示す赤と白のマークには要注意だ
Keystone
山を楽しむには自分の体力・経験に合ったコースを選ぶのが重要だ。在住歴16年の荒井睦美さん(ベルン州)は「山方面へ行くときはその地域の観光案内所などが運営しているサイトを見て簡単に下調べし、到着したらまず案内所へ行って地図をもらう」という。また登山道を示す標識のチェックも重要。黄色い標識なら軽装でも歩けるが、赤と白のマークがついている道は本格的な山岳コースだ。「一度、簡単だと思っていたコースの一部に赤白コースがあるのを見落とし、崖っぷちに出てしまった経験があります。それ以来コースの下見は欠かさないようにしています」(荒井さん)
山の過ごし方はハイキングだけではない。キャンプにも票が集まった。今夏、グリンデルヴァルトで初めてキャンプカーでのキャンプに挑戦するヴォー州在住の家族。「どこに車を止めたらいいのかも分からなかったが、レンタルしたお店が色々教えてくれた」という。
その他、「8月にはキノコやブルーベリーの採集など、山の生活に触れる」(ティチーノ州、在住歴35年)との情報もあった。また「暑い日のハイキングの途中に、山の合間にある冷たい水の湖に飛び込む!」(バーゼル・シュタット準州、在住歴8年)のもお勧め。山歩きでも水着など濡れてよい服を持っていくと、一歩「スイス通」に近づけそうだ。
おすすめの記事
おすすめの記事
ベルン住民の夏の楽しみ方といえば、やっぱり川遊び!
このコンテンツが公開されたのは、
夏になるとスイスの首都、ベルンの旧市街を流れるアーレ川のあちらこちらで水しぶきと歓声が上がり、人の頭がポコポコと水面に浮かぶ。ベルンを初めて訪れる人は、この光景に目を見張ることだろう。
もっと読む ベルン住民の夏の楽しみ方といえば、やっぱり川遊び!
川の鉄板はゴムボート
川・湖派も負けていない。ベルン在住者はアーレ川、バーゼルならライン川、ジュネーブ州・ヴォー州はレマン湖と、地元の水辺をこよなく愛する。「美しい湖やアルプスを見ながら、お茶を片手にゆっくり時間を過ごす」(ベルン州、在住歴2年)だけでも贅沢な夏休みになる。
川遊びの鉄板はゴムボートでの川下り。また専用の遊泳バッグを使ってぷかぷか浮けば、天然の流れるプールだ。ただ流れが速いため、岸に上がるのにはちょっとしたコツが要る。初めて泳ぐ人は必ず経験者に同伴してもらおう。
他に、「パラグライダー」(ヴォー州、4年)や「(8月1日の)建国記念日にライン川で上がる花火を見る」(バーゼル・シュタット準州、16年)、「毎年夏休みにツアーをしているサーカスを見に行く」(バーゼル・ラント準州、16年)との声も聞かれた。
一方、夏のアクティビティとしてスイス人に人気のマウンテンバイクやヨット、ウィンドサーフィンを挙げる声はゼロ。日本人には不向きなのかもしれない。
続きを読む
おすすめの記事
スイスで体験した「がっかり」10選
このコンテンツが公開されたのは、
「スイスはほぼパーフェクト!」。スイスインフォの読者からよく聞かれる声だ。だが、レストランでまだ半分くらい残っているチーズフォンデュの鍋が下げられるのを目にするたびに、密かに疑問に思っていたことがある。スイスを訪れた人ががっかりしたり、「え?こんなもの?」と思ったりしたことはどのくらいあるのだろうか?あるとしたら、一体何に―?
もっと読む スイスで体験した「がっかり」10選
おすすめの記事
長期化するスイスの休暇 平均5.1週間
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで働く人の有給休暇は長くなっている。過去20年で、年間の休暇取得日数は半週間増えた。2012年の国民投票でスイス人は休暇の増加に反対したが、実際は民意と逆のことが起きている。
もっと読む 長期化するスイスの休暇 平均5.1週間
おすすめの記事
製薬大手ロシュの日本人社員が語る スイスで有給休暇が問題なく取れる理由
このコンテンツが公開されたのは、
日本で社会経験を積んだあとスイスで働き始めた日本人が、なぜスイスと日本の働き方に違いが生まれるのかに気が付いた。長時間労働、家事・育児の時間、有給休暇の取得― 日本の「働き方改革」で本当に変わるべき部分はどこなのか。
もっと読む 製薬大手ロシュの日本人社員が語る スイスで有給休暇が問題なく取れる理由
おすすめの記事
アレッチ氷河の森でリラックス 森林浴ヨガ
このコンテンツが公開されたのは、
アレッチ森林は氷河のそばに広がる古いマツなどの森林で、国の保護指定林。地元の観光振興会社アレッチ・アリーナ外部リンクが、この森と氷河の美しい景観を生かして観光客を呼び込もうと今夏初めて森林浴イベントを企画。その一環で森…
もっと読む アレッチ氷河の森でリラックス 森林浴ヨガ
おすすめの記事
休暇客が自治体長に 地方政治家のなり手不足、スイスで深刻化
このコンテンツが公開されたのは、
自治体長になりませんか―。地方政治家のなり手不足が深刻化するスイスでは、公職を兼職で担う「名誉職制度」が危機に瀕している。自治体長不在という事態に陥ったスイス東部の基礎自治体トゥイェチは、ヘッドハンティングで候補者を探すという秘策に出た。そこで白羽の矢が立ったのが、この自治体に別荘を所有するベアート・レシュリンさん(64)。政治家としての自負がない元企業幹部に、はたして休暇先でしかなかった自治体のトップが務まるだろうか?
もっと読む 休暇客が自治体長に 地方政治家のなり手不足、スイスで深刻化
おすすめの記事
高物価の国でスイス人は何にお金を使っているのか?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの生活費は高い。スイスインフォがウーリ州アルトドルフで「何にお金を使っているか」を街頭インタビューしたところ、最も人々の懐を痛めているのは――。
もっと読む 高物価の国でスイス人は何にお金を使っているのか?
おすすめの記事
スイス人は週に何時間働く?
このコンテンツが公開されたのは、
週41時間10分。これはフルタイムで仕事をしている人のスイスの平均労働時間だ。他の多くの先進国と比較して少ない。どのようにスイスはこの幸せに見える状況を作り上げたのか。なぜ労働組合や業界団体はそれでもこの問題に取り組んでいるのか。
もっと読む スイス人は週に何時間働く?
おすすめの記事
「日本ブーム」到来 旅行先としての日本の魅力とは
このコンテンツが公開されたのは、
観光客の数が増加の一途を辿る日本だが、スイスからの観光客も例外ではない。近年、日本へ旅をするスイス人が増えている理由とは?そして、伸び悩むスイスの観光産業が日本から学べることとは?
日本政府観光局の統計によると、スイスからの訪日者数は2003~16年の13年間で155%増加している。スイスの観光業者の間でも、とりわけここ2年間は一種の「日本ブーム」が訪れているという共通の認識みられる。
16年の訪日客数の中で最多だった中国人の約637万人に対して、スイス人の約4万4千人は一見僅かに見えるが、両国の人口に占める割合で見ると、スイスにおける日本の人気は高いと言える。中国の場合、人口の0.47%が同年に日本を訪問しているのに対し、スイスは0.53%。欧州で訪日者が最多だった英国の0.45%より多い。
もっと読む 「日本ブーム」到来 旅行先としての日本の魅力とは
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。