安楽死で逝ったスイス元国会議員 ティス・イェニー③
胃がんの治療を続けるティス・イェニーが、自殺ほう助を受けることについて口を開いた。
イェニーは会社の後継者となる息子マティアスと一緒にある工事現場を訪れた。経営者、政治家という多忙な生活の中でも、スケジュールの合間を縫って多くの時間を息子と一緒に過ごした。そこには、どうしても譲れないイェニーの思いがあった。
イェニーは既に、不測の事態に備えて自殺ほう助を受ける手はずを整えていた。「誰に付き添ってほしいですか」。記者にそう問われたイェニーの答えはーー。
2014年11月30日に放送された、スイス公共放送(SRF、独語圏)の報道番組「Reporter」のドキュメンタリー映像。胃がんが悪化した際には安楽死すると公言していた元上院議員ティス・イェニーに密着し、がんとの闘いや自殺ほう助についての思いを聞いた。
イェニーはグラールス州出身。建設会社社長で、1998年6月に保守系右派・国民党から全州議会(上院)議員に初当選。政治の透明性のためなら党是に反する行動も辞さず、上院の電子採決システム導入に大きく貢献した。
だが2014年2月、胃がんを理由に政界を引退。9カ月後の同年11月、家族が見守る中、グラールス州の病院で自殺ほう助により亡くなった。
swissinfo.chでは2020年12月18日から同ドキュメンタリー映像(計22分)を4回に分け、日本語字幕を付けて配信する。
(敬称略、文・字幕翻訳/宇田薫)
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