新型インフルエンザで3人死亡
11月19日、連邦保健局が発表したところによると、今週になってスイス国内では新型インフルエンザにより新生児を含む3人が死亡した。大人の2人はいずれもチューリヒ州に住む54歳と46歳の女性で、3人とも疾患があった。
連邦内務省保健局 ( BAG/OFSP ) によると、新型インフルエンザのほとんどの感染者は深刻な症状にはならないという。また、従来型のインフルエンザと比較しても、死亡者数は少ないとの見通しだ。スイスでは従来型のインフルエンザで毎年100人以上の犠牲者が出ている。
若く持病を持った人に注意を喚起
従来のインフルエンザでは高齢者が犠牲となっているが、新型インフルの特徴は、持病を持った若い人がかかりやすいという。
新型インフルにかかった人はこれまでで4500人以上を数えるが、実際の人数はこれを大きく上回ると見られる。すでに、2万人以上が風邪やインフルエンザの症状で病院を訪れているが、85人が入院を強いられ、16人が重体に陥った。現在、予防注射は感染リスクの高い人が優先されているが、政府は来週から、予防注射の対象を広げる方針だ。
ワクチンが一部の州で不足している事態について、保健局のトマス・ツェルトナー局長は「配分の采配は州にある」とスイスの連邦制を挙げ、 最終的には原因を分析する必要はあると認めるものの「責任者を追及することは現在のところ避けたい」と語った。また、パトリック・マティス広報官は
「スイスはワクチンが潤沢にある国の一つである」と、国民に安心するよう訴えた。医薬品認可機関「スイスメディック ( Swissmedic ) 」はワクチン「パンデルミックス ( Pandemrix )」を新たに60歳以上の人にも処方する許可を出した。
スイスではもっとも人口の多いチューリヒ州では、12日から感染リスクが低い人にも予防注射を始めた。しかし、現場ではワクチンが不足しているところもある。これは州にワクチンが届いていても、発送の準備が完全にできていないためだという。11月10日からにチューリヒ州では10万本が分配されたが、感染リスクの高い人は30万人と計算されている。
swissinfo.ch、外電
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