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天皇陛下は明日23日、83歳の誕生日を迎えられる。スイスのメディアでも生前退位をめぐる議論が大きく取り上げられる中、スイスインフォが若かりし頃の写真を探したところ、皇太子殿下としてスイスを訪れ、ユングフラウヨッホで犬ぞりに興じる若き19歳の陛下のモノクロ写真が見つかった。
1953年の3月末から10月にかけ、天皇陛下は皇太子殿下としての初めての外遊にアメリカ・カナダ及び欧州12カ国を歴訪。スイス訪問は、同年の9月だった。ユングフラウヨッホで犬ぞりを楽しまれたのはこのとき。スイスが誇る高山鉄道の一つユングフラウ鉄道にも乗車された。
昭和天皇の名代でもあったため、自然を満喫した後にベルンで連邦議会(国会)を、ジュネーブでは赤十字国際委員会(ICRC)を訪問された。
その後、スイスとの縁は約50年後の2000年5月に再び訪れる。このとき天皇皇后両陛下は、ジュネーブに3日間、プライベートで滞在された。ジュネーブから少し足を延ばした両陛下が、のどかなヴォー州・マルシュイシ(Marchissy)村を散策された写真が残っている。
最後の一枚は、2014年2月にスイスのディディエ・ブルカルテール元大統領が天皇皇后両陛下を皇居に訪問したときの写真。
2014年は日本・スイス国交樹立150周年の年で、スイス政府は東京で大々的なイベント「スイス・デー」を開催。ブルカルテール氏はその開会式に出席するとともに両陛下を訪問し、日本とスイスの絆を深めた。
その結果、今度は皇太子さまが同年6月に日本・スイス国交樹立150周年の名誉総裁としてスイスを公式訪問された。そのとき皇太子さまは、ベルンを「家族でもう一度訪れたい町」と表現。天皇陛下が築かれた「天皇陛下とスイスの絆」は、今後も脈々と受け継がれていく。
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天皇陛下「生前退位」ご意向 スイス各紙で大きく報道
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宮内庁は8日、天皇陛下が自らの「お気持ち」を述べたビデオメッセージを公表。スイスメディアもこれを大きく取り上げた。スイス・ドイツ語圏の有力紙NZZは、天皇陛下の「生前退位」の意向は「公知の秘密」であったと報道。高齢に加え、自らが昭和天皇の最期を経験したことが今回の意向表明につながったと指摘した。
天皇陛下が「お気持ち」を述べたビデオメッセージ公表を受け、独語圏の日刊紙NZZ、ターゲス・アンツァイガー、仏語圏の日刊紙ヴァントキャトラー、ル・マタンをはじめとする多くのスイスメディアは、天皇陛下の言葉を引用しながら大きく伝えた。
各紙は、 天皇陛下がビデオメッセージで「体力の面などから様々な制約を覚えることもある」と述べられたこと、「これまでのように全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じている」と懸念を表明したことを伝えた。また、天皇陛下が意向を示した「生前退位」は現法で認められておらず、天皇陛下による国政への関与と理解されるのを避けるため、退位の意向の直接的な表現はなかったと報道した。
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